男って何?女って何?【夫婦編】「20年以上前の浮気がフラッシュバックして」

 
Q.
25年前、職場結婚して専業主婦になりました。1年後、子どもが生まれ、会社で同僚だった2人がお祝いに来てくれたんですが、態度がぎこちないので聞いてみると、私も知っている社内の女性と夫が浮気をしているという噂があって、私の様子を見に来たと言うんです。夫を直接問い詰めると浮気を認めました。知らない女ならまだしも、知っている女なんて…。離婚は考えられなかったので、2度と浮気はしないことを夫に誓わせました。その後、子ども好きな夫は家庭のために充分尽くしてくれたと思います。ところが最近、納得していたはずの夫の浮気のことが私の中でフラッシュバックしてしまうんです。隠れて何度も浮気をしてたんじゃないかと疑うようにまでなっています。
 
A.
あなたは職場結婚して専業主婦になったとあります。あなたが結婚した25年前と言えば、「男女雇用機会均等法」が成立した昭和60年からは既に15年近く経っています。この法律には、結婚、出産後も、女性が継続して就業できるよう育児休業や母性健康管理の努力義務が定められていますが、社会に「男は仕事、女は家庭」という役割分担意識が根強く残っていた時代でもありました。こうした背景の中で専業主婦になり1年後には出産、育児に追われるようになりました。
 
出産のお祝いに来た同僚から聞かされた話が夫の社内不倫。まったく知らない女性との不倫でも許しがたいのに「知っている社内の女」が相手とは!当時の社会的風潮としては、社内結婚は女性の寿退社が既定路線。「男女雇用機会均等法」など絵に描いた餅のよう。その中での「まだ会社に残っているあの人と?!」という悔しさとショック。社内で噂が流れているのも屈辱なら、浮気を認めた夫にも殺してやりたいくらい腹が立ったことでしょう。パワハラ、セクハラ防止法が努力義務から措置義務規定になり、禁止事項になり始めたのもその頃。法の網をくぐり抜けるように浮気をした夫を20年以上経った今でも許せないのは当然です。
 
あなたは、子どものことを思うと離婚は考えられず、夫に「2度と浮気はしない」と誓わせ、悔しさや悲しさと妥協して生きてきました。子どもが成人して自分の手から離れていった今、その時「子どものために離婚はしない」と自分に課したので、出し切れていなかったモヤモヤした気持ちが今、フラッシュバックしています。「子ども好きの夫は家庭のために充分尽くしてくれた」と言っていますが「納得していたはずの夫の浮気のことが私の中でフラッシュバックしてきた」ということは、自分で自分の気持ちを説得して封じ込めていただけで納得していたわけではなかったのです。幼いころの親の虐待が何十年も経ってからフラッシュバックしてくる「アダルトチルドレン」の症状とよく似ています。大人になった心の中の「インナーチャイルド」が泣くように、あなたの心の中で若かったころのあなたが苦しんでいるのです。夫からは「今さら?!」と驚かれるかもしれませんが、今の正直な気持ちを夫にぶつけてみてはいかがでしょう。それで本当に納得できれば、夫婦関係の再構築をする、納得できないようなら離婚という選択肢も今なら採れますよね。
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