男って何?女って何?【恋愛編】「幼なじみの彼」

 
Q.
彼とは実家が近くの幼なじみで、生まれて間もないころに一緒に撮った写真もあります。幼、小、中、高が同じで、大学は別々になりましたが、自宅通学だったので、よく顔を合わせていました。成人式の時、彼から「付き合ってくれない?」と言われ、即座に「いいよ」と返事をしました。彼以外の男性に惹かれたこともなかったので、「一緒にいるのが当たり前」というくらいの感覚でした。「付き合う」ことになって3ヶ月くらいしたころ、一緒に映画を観た後、自然な流れでホテルに入ったんです。当然気持ちが高ぶるところなんでしょうけれど、彼が好きという気持ちはあるのにまるで兄妹のようで気持ちが高ぶらないんです。結局2人でゲームをしただけで出てきてしまいました。彼がどんな気持ちでいたかは分かりませんが、どうしたら普通の恋愛ができるでしょうか。
 
A.
幼いころから多くの時間を共有し、お互いに分かり合える関係の幼なじみ。大切な相手なので恋愛感情を抱くことで今までの関係が崩れてしまうのを恐れる人も多い中、彼は「成人式の時」「付き合ってくれない?」と言っています。幼なじみから恋愛関係に発展させるのは勇気がいることですが、彼は「あなたを好き」という気持ちが本物と確信して恋愛への一歩を踏み出そうとしたのでしょう。
 
昔から幼なじみが恋愛に発展する物語は文学をはじめ、映画や演劇にもたくさん登場します。ヨーロッパでは「嵐が丘」や「ロミオとジュリエット」が有名ですが、日本でも万葉集、源氏物語、伊勢物語などの中にたくさんの恋物語が登場します。伊藤左千夫の「野菊の墓」はキャストを替えて何度も映画化され絶賛されています。2歳年上の民子と政夫はいつもふざけ合って遊んでいるのですが、2人が淡い恋心を募らせていくと周囲の大人たちの思惑により引き離され、恋は実らないまま民子は亡くなってしまいます。現在では同じ地域で育ち、親や家族、友人とも信頼関係ができていることでむしろ応援してくれることも多いでしょう。
 
彼は成人式の時、正装した幼なじみのあなたを見て大人の女性になったと異性として意識したのでしょう。それから3ヶ月、「恋人」として付き
合ったのにホテルでも気持ちが高ぶらず、「ゲームをしただけ」という仲のいい兄妹のような関係でしかいられなかったことにあなたは困惑しています。「どうしたら普通の恋愛ができるか」とのご相談ですが、あなたたちの関係はある程度成熟した大人になってから出会い、異性として引かれ合った「普通の恋愛」ではありません。幼いころから良い点悪い点も、得意不得意も知り尽くしている関係は「普通の恋愛」ではないのです。普通ではないから文学や映画やドラマとして多くの名作が生み出されているわけです。まず「普通」という考えは捨てましょう。あなた
が「彼が好き」なのに「気持ちが高ぶらない」と言っているのは、幼なじみという彼との関係に今でもこだわりすぎていて「異性」という彼のポジションを素直に見ていないからですよね。「普通の恋愛」よりずっと長くお互いを理解してきた関係です。「特別な恋愛」として素直になれた時にはさらにいい関係が築けるはずです。焦る必要はありません。
case104

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