男と女のQ&A【恋愛編】「結婚て理想を求めてもダメ?」

 
【Q】
25歳を過ぎたころから、友達や同僚がどんどん結婚していきました。私の中では夫と子ども2人というのが理想の家庭像なので、出産育児のことを考えると30歳までに結婚って決めていたんです。それなのに35歳になった今も独身で、彼氏さえいません。周りには「出会いが少ないから」とか「結婚なんて面倒なだけ」とか言ってる人もいるんですけど、私も含めそれは表向きで早く結婚したいっていうのが本音です。出会いがないっていうこともないので、付き合ってみれば徐々に距離が近くなって結婚っていうことになるかもしれないんですけど、結婚相手に求めるものってありますよね。ルックス、年収、将来性、性格…。私に言わせると周りにいる男性は、皆「帯に短し、襷にも短し」みたいな(笑)。そんな話を既婚の友達にしたら、「結婚て理想を求めてもダメだよ。自分のわがままは捨てて妥協しないと」と言われてしまいました。それを聞いたとき、「妥協して結婚しよう」とはならず、「理想の結婚じゃないなら結婚しなくてもいいや」っていう気持ちになって、ますます結婚が遠ざかってしまったように思うんです。
 
【A】
結婚の形は時代と共に変化してきました。昔は社会的な信用や経済的な安定を得るために結婚を考える人が多かったのですが、今は「安らげる場所が欲しいから」とか「家族が欲しいから」とかいう理由で結婚をする人が圧倒的多数です。独りでいることの寂しさや将来的な不安から社会的な地位よりも居場所や心のよりどころを求めて結婚する人は確実に増えています。
 
「結婚」が法的に明文化されたのは、江戸時代から明治時代となり、明治政府が税金を集めたり男子の徴兵をするために国民の状況を把握して管理する必要があり戸籍制度を整えた時からで、そのころ結婚には、戸主(父親か長男)の許可が必要とされていました。妻が夫の家に入って子どもを産み,夫の家を存続させることが結婚の主な目的だったのです。
 
こうした「家制度」を守るために「戸籍」ができたのは、1871年、明治4年のことです。この明治時代の初めに作られた制度は、第2次世界大戦が終わるまで続けられてきました。1946年に現在の日本国憲法が公布され、その翌年に民法が改正され、結婚に関する制度も大きく変わりました。日本国憲法第24条には「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」とあります。もちろん結婚に戸主の同意は不要で、本人同士の意思のみによってできるようになったわけです。ですから、「結婚」は人生の生き方の選択肢として、それぞれの考え方に応じて「する」「しない」を選ぶことが重要です。
 
現在でも、「夫婦別姓」や「配偶者控除」、「同性婚」等、結婚制度には多くの問題があり、法的保護の対象となる「結婚」という形態を選ばず、婚姻届を出さない「事実婚」を選ぶ(あるいは選ばざるを得ない)カップルも少なくありません。
 
「理想の結婚じゃないなら結婚しなくてもいいや」というあなた。結婚に理想を求めるというあなたの姿勢は評価しましょう。結婚に理想を求めず、妥協によって成り立っているとしたら、あまりにも寂しいですよね。でも、あなたにとっての「理想の結婚」とは何ですか?結婚に求めるものを「ルックス、年収、将来性、性格…」とおっしゃっていますが、「性格」というのはともかくとして、あとはすべて妥協の極地じゃありませんか?どれも「誰々よりはまし」という、比較の上に成り立っているものばかりです。
 
あなたにとっての「理想の結婚」とは何なのか、もう一度よく考えてみましょう。「理想の結婚」は、結婚をゴールと考え、求め実現するものではなく、この人と一緒にいたいという強い気持ちの結果として実現できるものです。そういう気持ちが湧き起こる相手が出てこないのなら、結婚しないというのも当然の選択肢ですよね。
(文:大関洋子)
 
2023/07/31(月)
第261回【職場編】「たまたま休暇が重なっただけなのに…」
【Q】
夏は暑くて薄着になるし、気持ちも開放的になるので、社内で男女の問題がクローズアップされがちなんです。露出度の高い女性に男性の視線が集中したり、なんとなく気持ち悪い雰囲気の男性が増えたり、男女共にこそこそナンパ合戦みたいなことをしてみたり…。私も、そういう雰囲気に完全に背を向けてるわけじゃないんですけど、どちらかというとそういう雰囲気は好きではありません。
 
それで、8月にまとめて1週間休暇を取って、会社とは無関係な女友達と旅行に行くことにしたんです。うちの会社は一斉に休みになるのではなく、シフト調整をしながら交替で1週間くらい休暇を取るシステムなんですけど、私の休暇とぴったり重なって休暇を取る独身男性がいて、私とその男性の関係が疑われ、社内中で噂になってしまいました。否定すればするほど逆に噂が広がってしまうんです。実は私は社内に好きな男性がいて、タイミングを見て付き合ってほしいって言おうとしていたところだったので、噂が広がってしまってとても困っています。どうしたら噂を収められるでしょうか?
 
【A】
「どうしたら噂を収められるでしょうか?」というご相談ですが、あなたもおっしゃっている通り、「否定すればするほど逆に噂が広がってしまう」ものなので、質問に対するお答えは「放っておくこと」です。昔から「人の噂も75日」とか「人の口に戸は立てられない」とか言われています。今は、様々なことがスピーディになっているので、おそらく「75日」も続くことはないでしょう。メディアでも芸能人や著名人の恋や不倫の話が次々と出ては消え、消えては出ています。800年以上も前の鴨長明の方丈記(1212年)にも「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、ひさしくとどまりたるためしなし。」とあります。
 
事実でないなら噂はそのうち収まりますが、あなたはこの噂を「千載一遇のチャンス」と逆手にとって、「タイミングを見て付き合ってほしいって言おうとしていた」男性との距離を縮めるように動いてみてはどうですか。
 
今回のようなケースに生かせる心理学的なアプローチはけっこうたくさんあります。それを利用して、こんな風にやってみてはいかがでしょう。
 
まず、心理的リアクタンス(別名、ロミオとジュリエット効果)を利用する。これは、禁止されたことに反発する人間心理が基本になっていて、他の異性の存在を匂わせて相手からの告白を誘ったり、相手の何でもなかった気持ちに刺激を与えて、気持ちに火をつけたりするのに効果があります。この心理を利用するとしたら、噂が彼の耳に届くくらいまで広げることです。彼の耳に入っている最中に「会う回数が多ければ多いほど相手への好意が増す」という「単純接触仮説」を利用する。そのために旅行から帰って初めて出社する日に、「友達と旅行してきたお土産です」と彼にお土産を渡しましょう。これには皆さんご存じ(?)の「揺れる吊り橋を渡ると人はドキドキを感じる」という「吊り橋効果」も潜ませておく。何かの不安や恐れがあると人は心が動きやすくなるので、あなたに恋人がいるという噂が広がっている状況でのプレゼント(お土産)は効果があるはずです。饅頭やクッキーという類いのものではなく、「女性が好きな男性のために選んだ一品」というようなものを渡しましょう。さらに、周りの人たちには饅頭やクッキーといった類いのものを配ります。あなたの気持ちが「噂の相手」に向いているのか「僕」に向いているのかという揺れる気持ちの中で、「僕は彼女にとって特別な存在?」というドキドキ感が恋の始まりになることでしょう。もちろん、失敗する大きなリスクもあります。あなたは彼のことをどれくらい知っていますか?リスクを減らすには彼の性格をあなたが十分知っていることが大切ですよ。
第262回

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