【Q】
夫の実家を建て直し、3年前から夫の両親が1階、私たち家族が2階と3階の2世帯住宅に住んでいます。玄関は別々ですので同居と比べると楽ですが、義母は何かと我が家の生活に口を出します。ある程度は仕方ないと思いますが、私が気に入らないのは夫の態度です。夫に義母に対する文句を言うと、私には「俺から義母さんに強く言っとく」って言うのに、そういうことがあった後は、むしろ義母の態度がおかしくなるんです。最初は、夫が義母に文句を言ってくれたから、義母の態度がおかしくなると思っていたんですけど、夫に「義母さんもそんなに先が長いわけじゃないんだから、我慢できるところは我慢してくれよ」って言われ、夫は私の前と義母の前では態度が違うんだっていうことに気づいたんです。夫は義父には厳しい人なので、義母にもちゃんと話してくれていると思っていたんですが、どうやらどちらにもいい顔をして、夫が私と義母の関係を悪くしていたんです。
【A】
夫との両親、特に母親との関係は夫を間に立てようとするとこじれます。あなたが気づいたように「我慢できるところは我慢してくれよ」とあなたに言っている通り「夫が義母との関係を悪くしている」んですから。こう言われればあなたは腹が立つわけです。
当然、自分の母親には「俺からあいつに強く言っとく」と言っているのでしょう。人の言動には、必ず「目的がある」という心理学からすれば、夫は妻と母親の両方から頼りになるいい夫、いい息子と思ってもらいたい人なのでしょう。ところが、その目的は大外れで、このように妻は立腹して相談しているわけですし、母親の方も嫁の愚痴を嫁の代わりに言いに来る息子に決していい気持ちではないでしょう。
こういうどちらにもいい顔をしてどちらからもよく思われようとする中途半端なやり方は結局どちらからもよく思われないばかりか、結果として間に立った夫、息子を自分の味方にしようとする「夫・息子争奪戦」へと発展し、泥沼化していきます。問題の本質はどこかへ行ってしまい見えなくなって、いわゆる嫁姑の醜い争いにしかなりません。
あなたはちゃんと「夫が私と義母の関係を悪くしていた」と分析しているのですから、このやり方は今日限りきっぱりやめましょう。そして、この悪いやり方の形跡を消去するためにちょっと勇気を出してください。一階に住んでいるお義母さんの所へ何かあなたの作った夕飯のおかずの一品でも持って降りていき、「お義母さん、どうもこの味付けうまくいかないんです!いつも××さん(夫の名)はおふくろの味はちょっと違うんだよなあ…って言ってあまり食べてくれないんです。味付けのこつを教えてもらえます?」とでも言ってみてください。あなたは「玄関は別々なので楽」と言っているし、「私が気に入らないのは“我が家の生活に口を出す姑ではなく夫の態度”」とはっきりしていますから、きっとこの作戦でうまくいくと思いますよ。
「口を出すのもある程度仕方ない」とも思っている賢いお嫁さんでもあるのですから、2~3日に一度くらい、料理の味付けや夫の好き嫌いや変な癖やらについて、お義母さんの知恵を借りに行くという名目でお義母さんと仲良くなってください。
あなたたちの生活に口を出したがっているお義母さん、すっかり喜んでいろいろ教えてくれるでしょう。そして段々「全くウチの息子ったら小さい頃から人にいい顔して自分てものがなくてね。いい人って思われたいために本当は損ばかりしているのよ。本人は気づかないのかしらね?あらっ、私がそういう息子に育てたってこと?はははっ、ごめんなさいね!」というふうになること間違いなし!
夫はこの際抜きにして、自分でお義母さんと仲良くなる作戦に切り替えてください。夫も大喜び、夫の両親も、そしてあなたもハッピーになれますから。
さあ、勇気を出して実行してみてください。嫁姑の関係が泥沼化しないうちに!
第60回