男と女のQ&A【恋愛編】「占いを信じている彼」

【Q】
彼とは付き合って半年です。彼の前に付き合ってた男性はどちらかというと乱暴だったんで、彼はとっても優しく感じてます。でも…。
この前、食事に行ったときのことなんですけど、「オレ、今日金運が悪いんだよ。スマホで星占い見たら“財布落とすかも”って。だから、今日は財布を置いてきちゃった。悪いけど、食事代出しといてくれる?」って。せいぜい2000~3000円のことだから、その時は黙って出したんですけど、彼、占いとかほんとに信じてるみたいで、「今日は東の方角はダメ」とか「今日のラッキーカラーは赤」とか、ほとんどの行動を占いみたいなもので決めてるんです。
最初は冗談だと思ったんですよ。だから私も彼に合わせて、「じゃあ今日は西ね」とか「どう?この赤い服…」なんてやってたんです。
ところがどうも本気らしいってことが分かってきて…。私の気持ちより占いが優先なんです。
でも、まさかねえ、大人の男性がほんとに本気なんてこと、ないですよねえ?
 
【A】
どんなに科学や文明が進んでも人間の知恵だけではどうにもならないってこと、たくさんありますよね。
ほんの一瞬の差が生死を分けたり、あの時のあの人との出会いが人生の幸不幸を分けたり…これを私たちは「運命」とか「運がいい・悪い」とか言っています。
そして悔いても悔いてもどうにもならない別れとか、あの時こうしていればとか、ああやっていればとか…。自分を責めても責めても後悔しきれないこととかを悩んで悩んで悩み抜いて「もうこれは死ぬしかない」となった時、私たちは「運命」とか「運」とかいう言葉にすがって、「ああ、これは運命だったんだ。運が悪かったんだから仕方がない」とあきらめることによって、死の淵から這い上がって生き延びるのです。
あなたの彼のようにあまりにも簡単にほとんどの行動を“占いみたいなもの”で決めているとなると、「運命」に立ち向かうための努力とか、「運」にたどり着くまでの努力とかをせず、「運が悪かった」と他力本願的にあきらめてしまうような生き方になります。
努力して努力して、死ぬほど苦しみ、それでもどうしようもなくて「運が悪かった」と自分を納得させ生き延びるしかない時が人生には何度かあります。それをあまりにも軽々しくたかだか2000~3000円の食事代をあなたに払わせるために「金運が悪いから払っといて!」と言うようでは、これから先、何が起こっても努力無しに「占いが凶だから」の一言で片付けられてしまうことでしょう。たとえ、あなたと別れることになったとしてもです。
占いの歴史は古く、古代では政治さえ左右していた時代もあります。亀の甲のひび割れの仕方(亀甲占い)で政治のやり方を占ったり、本当の犯人を見つけるため熱湯に手を入れさせて(ぬかだち)犯人を見つけたり、まったく非科学的なものから、太陽や星、風の動きを研究したり、あるいは多くの事例から割り出して吉凶を決めるものまで、様々ありました。
とはいえ、今の世の中、あなたの彼の「占い優先」の生き方は、もし本気だとしたらあまりにも無責任と言わざるを得ません。また本気で信じていないとすればもっとひどいことで、あなたとの関係を手軽に自分勝手に決めるための隠れ蓑に使っているということでしょうから、どんなに前の彼より「乱暴でなく優しい」とあなたが感じているとしても、それはまやかしの優しさ。すぐに別れることをお勧めします。
第107回

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