男と女のQ&A【親子編】「結婚式をやらないなんてあり得ない!」

【Q】
32歳になる息子がいます。一昨年秋、彼女を紹介されました。一人息子なので、私も夫もとても喜びました。昨年秋に結婚式を挙げる予定だったのですが、コロナ禍で今年6月に延期しました。ところが、感染拡大が収まるどころか、ますますひどいことになってしまって。彼女の実家は関西なので、親戚の皆さんの参加は難しい。こちらも参加できる人は限られるし、息子たちの友人、知人の参加も難しい。息子は「入籍は済んでるし、あとの目処も立たないから、さらに延期っていうのもね。コロナが落ち着いたら彼女の両親と食事会でいいかなって思うんだ」と言い始めました。彼女の両親はそれで納得しているとのこと。夫も「息子たちと彼女のご両親がそれでいいなら」と言います。一人息子なので、夫と私にとっても一生に一度の晴れ舞台、そんなのあり得ないと思います。人生の1つの区切りとしてどうしても結婚式と披露宴はやってほしい。私は結婚式があったからこそ夫との今の生活があると思うので、何とか息子たちを説得したいのですが。
 
【A】
まあ!そうなんですね。
あなたは夫との今の生活があるのは結婚式があったからと思っている。結婚式で皆さんに励まされたりしないと今の結婚生活はなかったわけなんですね?
夫婦の間に何かもめ事とか価値観の違いとかが出てきて「もう!こんな人とは別れた方がいい!」と思った時に、あんなにたくさんの人に励まされ祝福されたのに、ここで別れたら恥ずかしい、みっともないとでも思って、思いとどまったのでしょうか?
 
まあ、それでつながっている結婚生活もないことはないでしょうが、それでは夫婦間の行き違いの根本的な解決にはならず、あなたも我慢、夫は「諦め」の境地で、ここまで来たのかもしれませんね。大体、息子さん夫婦も「入籍は済んでいる、コロナが落ち着いたら彼女のご両親と食事会でいい」と言い、あちらのご両親もあなたの夫も「息子たちと彼女のご両親がそれでいいなら」とおっしゃっている。それをあなただけが「そんなのあり得ない」と言い、しかもその理由が「一人息子なので、夫にとっても私にとっても一生に一度の晴れ舞台」と言う。
 
何を考えているんですか?!結婚の当事者の彼女が言うならまだしも、何であなたの「晴れ舞台」なんですか?このあなたの考えこそあり得ません。あなたの「晴れ舞台」はどこか違うところで作ってください。結婚して仕事を辞め、夫と一人息子のために尽くしてきたあなたの気持ちはわからないではないですが、「一人息子の晴れ舞台」を「自分の晴れ舞台」と考えるのは明らかに「勘違い」ですよ。
 
最近、結婚式や披露宴をやらない夫婦も増えています。ちょっと古い資料ですが、綜合ユニコム「婚礼ブライダル施設インダストリデータ」2010~2014年の統計では、入籍するカップルの47.8%が「結婚式・披露宴」セットをやっていないそうです。どちらもまったくやらずに入籍だけの場合を「ナシ婚」、挙式だけはやる、家族との食事会だけはやる、写真だけは撮る、その他指輪の交換だけ、パーティーだけなどは、「ダケ婚」と呼ばれています。
 
経済的負担やコロナ禍で集まる人たちの精神的負担を考えれば、「結婚式・披露宴」セットをやらない、「ナシ婚」や「ダケ婚」がますます増えることも考えられます。
息子さんカップルの賢明な選択を応援してあげてください。
第209回

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