男と女のQ&A【夫婦編】「夫から興信所に撮られた写真を突きつけられて…」

【Q】
3年くらい前から、会社の上司と不倫しています。夫や子どもたち、彼の奥さんにも「ごめんなさい」っていう気持ちはあるんです。こんな関係、長く続くわけもないし、彼を愛してるかって聞かれて「愛してる」って答えられない自分もいるし…。今の勤務はコロナ前とほとんど変わらないんですけど、会社以外で彼と会う機会は減りました。以前は週1、2回ホテルに行ってましたけど、今は2、3ヶ月に1回くらい。彼との関係を切るにはいい機会と思い、彼に別れを切り出して、彼も「そうだね」ということになったんです。ところが、そのタイミングで夫から彼とホテルに入っていくところの写真を突きつけられてしまいました。興信所に調べさせていたらしいんです。数ヶ月前の写真なんですけど、「もう別れたから」っていう言い訳もできないし、私から「離婚」を切り出す決心はついていません。できれば私は夫とやり直したいんです。まだ夫から「離婚」という言葉は言われてないんですけど、夫は離婚を考えているみたいです。
 
【A】
「できれば私は夫とやり直したい」という、「できれば」はどんな意味でしょうか?不倫の相手に「愛してる」って本心から言えない程度の遊び心だったからですか?それとも、子どもたちのことを考えるとやり直したほうがいいという、「できれば」ですか?いずれにしても「私から離婚を切り出す決心はついていない」程度の気持ちで3年間も上司と不倫関係にあったということですね。
 
あなたが「もし夫に知られたら離婚されても仕方がない」と決意しての不倫ではなく、夫にわからないように上司との関係を楽しんでいたというわけでしょうか?法的には有責配偶者(浮気をした側)からの離婚の申し立ては成立しないことが多いのですが、これも浮気以前から既に結婚生活が破綻していることが認められれば、離婚が可能というのが最近の傾向です。浮気をされた側がどんなに結婚を持続していたいと思っても、浮気をした側が、もうとても一緒に暮らしていけないと思っていたら、法律で縛り付けておいたとしても、夫婦共に、子どもがいれば子どもまでも不幸になるのはわかりきっています。
 
「不倫」という言葉は嫌な言葉で「倫理に反している」ということです。現在の結婚制度や結婚生活にまつわる文化は不備な点や不公平・不平等なことも多く、心ならずも「不倫」や「浮気」をせざるを得ない場合もあります。そういう時、人は「覚悟」をしています。夫や子どもや相手の妻を裏切っている心の痛みに耐えてでも会わずにいられない。かと言って、そういう関係になる前に自分から離婚もできない。仕方なく、自分も心に傷を負いながら会い続ける。分かった時は子どもはもちろん、社会的名誉や仕事や財産も全て失うだろうことは覚悟の上です。当然相手もそのつもりのはずです。
 
夫が興信所をつけていたというのは離婚を有利に運ぶためなのか、やリ直しをしてもらうためなのか、写真を突きつけられて、まだ「離婚」という言葉は言われていないのなら、もしかしてあなたの本心を知りたい、それによってはやり直しもゼロではない、ということかもしれません。
 
「できれば」が「どうしても」に近い意味であるならば、「相手とはもう別れた」と言い訳でなく、真実として夫に話し、謝罪してください。ただ、そのことが一生2人の間にわだかまるような関係と思えるなら、思い切って彼が「離婚」を切り出した時、承諾して別の道を進むのもよいと思います。3年間、不倫が続いていたのは、既にご夫婦の結婚生活が壊れていたと考えられますから。
第208回

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