男と女のQ&A【夫婦編】「帰省したときの夫の態度がいつもの夫じゃない」

【Q】
毎年、年末を迎えると憂鬱になります。お正月に夫の実家に帰省するのがストレスなんです。夫の両親は悪い人ではないんですよ。すごく良くしてもらっているとは思っているし…。なので、変な言い方ですけど、私と子どもだけで行くならいいかなって。何がストレスかっていうと、夫の態度です。夫の両親に対する態度がうちでの普段の夫と極端に違って、ただのマザコン、ファザコンに見えて気持ち悪いし、私に対してはすごく高圧的になるんです。結婚して間もないころは、そういう態度を取るのも「私はあなたたちの子ども、育ててくれてありがとう。大人になってこんなにしっかりしたんだよ」って両親を安心させるためのポーズなのかなって思っていたんです。ところが、いつになってもそんな風だし、最近ではあれが夫の本性だって思うようになりました。そう思うと一気に愛情が冷めるっていうか、この先夫についていっていいか不安になります。
 
【A】
私が感心したのは、「変な言い方ですけど、私と子どもだけで行くならいいかなって」とあなたがおっしゃっているということです。これはちっとも「変な言い方」「変な考え方」ではなく、夫のご両親とあなたとの関係は「とても良い」ということですよね。夫抜きでも夫のご両親に会いに行ける、いや、むしろ夫抜きの方がいい、ということは、あなたと夫の関係も修復可能だと思います。なぜならあなたが「気持ち悪くて一気に愛情が冷めた、不安になった」という「マザコン」「ファザコン」の夫の態度は、夫の両親の対応が変われば修正できますし、夫の両親を信頼しているあなた、ご両親からも「すごく良くしてもらっている」あなたなら、夫の両親に息子との関係性を変えてもらうよう頼んで受入れてもらえるはずだからです。
 
次に「マザコン」(マザーコンプレックス)の起源についてですが、これは100年程前の精神科医フロイトが言いはじめた「エディプス・コンプレックス」という言葉が元になっています。ギリシャ神話の中の物語で国王の息子として生まれたオディプスは神託により「父を殺して母と結ばれるであろう」と言われ、国王である父の命令で隣国へ捨てられます。そこの王子として青年になり旅へ出ますが、その途中、実父とは知らずに父と闘うはめになり殺してしまします。そして実母とは知らず女王の国を苦しめていたスィフィンクスを退治し国を救った英雄として実母・王妃と結婚します。実父を殺し実母と結ばれた事実を知ったオディプス王子は自分の目を刺し、盲目の旅人としてどこへともなく放浪して行くという神話です。ファザコンという心理学用語はなく、マザコンに対応したものと思われます。あなたの夫は両親に甘えていますので、マザコンというよりピーターパン症候群に近いと思われます。フロイトの言う「エディプス・コンプレックス」は「それぞれ男の子は母親、女の子は父親(異性親)に、強く愛着を感じる」という学説です。
 
あなたの夫は、おとなにはなりたくなくて永久に子どものままでいられる「ネバーランド」に皆を連れて行こうとしているピーターパンなのだと思います。どちらにしてもあなたの夫は異性親の母親に甘え(エディプス)ウエンディやティンカーベルの妖精に頼るピーターパンのように「年齢的には大人だけれど精神的に大人になれてない男性」なんです。だから母親に甘えて、あなた、ティンカーベルにも魔法で自分の好きなようにしてもうおうと高圧的になるのです。
どうか夫のご両親としっかり組んで夫を修正してください。
第248回

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