男と女のQ&A【夫婦編】「夫の不倫の定義に呆れ…」

【Q】
結婚して10年。8歳の息子と6歳の娘がいます。子どもが生まれるまでは、2人で食事や旅行に出かけたり仲良くしていました。子どもが生まれてからも、子育てや家事を積極的に手伝ってくれて「この人と結婚して良かった」、そう思っていたんです。ところが2、3年前から、帰宅が遅くなったり、帰ってきても、すぐに部屋に籠もってしまったりするようになったんです。。
先日、夫が子どもたちとお風呂に入っている時、夫のスマホにメッセージが入ったのに気づいたので、ちょっと覗いてみたら女性からの怪しいメッセージでした。夫を問い詰めると「マッチングアプリで知り合った女性」と言うんです。「不倫してるの!?」と私が感情的に怒鳴ると、夫は「不倫なんてしてないよ。マッチングアプリなんて遊び」と開き直った答えをするんです。さらに「不倫て“不貞行為をすること”だろ。“不貞行為”っていうのは“配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶこと”って定義なんだから、マッチングアプリをやっているだけじゃ不倫じゃない」って言うんです。その時、初めて夫の本性が分かりました。夫と不倫か不倫じゃないか法律論で争うつもりはありません。夫婦って信頼し合って、家庭を築いていくものですよね。こんな夫とこれからの人生をやっていくことはできないと思いましたが子どものことを考えると離婚もできません。
 
【A】
まったくあなたの言う通りで、こんないい加減な法律論を振りかざして「マッチングアプリなんて遊び」という夫は、あなたのためにもお子さんのためにも、別れなさいとお答えしたいところです。ですが、こうしてご相談をしてこられるのは、たぶん経済的な問題が重くのしかかってすぐには別れる決断はできかねてのことでしょうね。
 
あなたが「夫婦って信頼し合って家庭を築いていくもの」と言っているように、「信頼」のなくなった夫と「これからの人生をやっていくことはできない」のですが、「子どものことを考えると」と言っているのには、先ほど言った経済的負担があることと、もう1つ、まだ8歳と6歳という幼さを考えると、父親が必要ということも考えてのことかと思います。
 
離婚も選択肢の1つとしながら、少しでも「信頼」を取り戻せるかを考えてみましょう。あなたが幼い子どもたちの父親として必要かなと考える元になっているのは、2、3年前までの夫の様子、「この人と結婚してよかった」と思うくらい、子育てや家事を積極的に手伝ってくれていたということですよね。子どもたちも「パパのことは好き」なのでしょう。
 
そこを考えると、この2~3年の「マッチングアプリは遊び」という価値観の理由を探ってみる必要があります。 その理由(当然、夫として2人の子どもの父親として間違った価値観を持った理由)の1つは、今、スマホを開くと「30代~50代の中高年世代からの評判が良い!」「恋活にリーズナブル」「素敵な女性が登録している!」等々の文字と胸の大きな女性の写真などが踊るように出てきたり、「スワイプすると新しい人とつながりができます」ともあって、とても簡単に異性と交流できるようになっていることです。
まるで昔、中学生くらいが雑誌で「文通しませんか?」という欄に胸をときめかせたようにゲーム感覚でスワイプして「遊べる」のです。
 
そしてそんな中学生みたいな「遊び」にハマる理由の1つは「依存」です。「依存する理由」は様々ですが、あなたの夫は、仕事でストレスの多い職位に昇進したとか、家庭で10年頑張ってきたけれど妻から自分が思うほど感謝の言葉をかけてもらえない(家事育児なんて共同でやって当たり前なので情けない話ですが)、生育歴の中で母から承認されないことで自己肯定感が低い、等々で、たくさんの女性から「いいね」と言われたい、話をして癒やされたい…。
その辺りを夫と向き合い話し合ってみてください。もし反省の心が湧かないようなら離婚を考えざるを得ないかもしれませんね。
第253回

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