男って何?女って何?【夫婦編】「しつけの邪魔をする夫」

 
Q.
10歳の息子と8歳の娘がいます。私は専業主婦、夫はサラリーマンで毎朝7時半くらいに家を出て帰りは8時くらいです。子どもにあまりうるさく言いたくはないけれど、規則正しい生活や善悪の区別くらいは身につけさせたいと思っています。ところが、私が子どもたちを叱っていると、夫はいつも子どもたちの肩を持ってしつけの邪魔をするんです。「部屋を片付けなさい」と言うと「何がどこにあるか分かってればいんだよな」と言うし、「勉強の時間でしょ」と言うと「自分で決めてやるんだぞ」と口を挟みます。私と子どもには約束があるんです。そんなことおかまいなしです。考えがあってのことならまだしも夫のはただの人気取り。しつけの邪魔はされたくないんです。
 
A.
夫と妻、子どもにとって父と母で教育観が違うのは最悪です。しかも、あなたのご家庭では夫と妻の教育観とか人生の価値観とか高尚なものではなく、夫の人気取りのための言動。これではお子さんたちも母親であるあなたの言うことを聞くはずはありません。特に10歳と8歳といえば、発達段階上、人間関係形成能力の発達する時期であり、自己理解が深まり、他者の多様な個性をも理解し、互いに認め合うことを大切にして行動していく能力を養う大切な時期でもあります。多様な集団や組織の中でコミュニケーションや豊かな人間関係を築きながら自己の成長を果たしていく時期です。その時、父と母の言うことが違う子どもたちは、自分に都合のいい方の言いつけに従うようになります。あなたの家庭のように母親が厳しく父親が甘ければ、父親の言う通りに行動するようになります。そしてそれを直そうと母親が躍起になって何倍も厳しくなり、子どもは益々母親の言うことがうっとうしくなり、母親の言うことは聞かなくなります。
 
特に10歳の息子さんはそろそろ自我が確立して反抗を始めるギャングエイジと言われている年齢です。ただでさえこの年齢では親に反抗をして口答えをしたり、友達と遠くまで出かけて親を心配させたり、親に秘密を持ったりし始めます。これらはすべて大人になるトレーニングなので、この時、両親、もしくは家族が子どもの成長、反抗を喜びながらも家族のルールや社会のルールを教えていく時です。父と母、祖父母などが口々に人気取りをすると、この大事な時期に子どもは大人の顔色を見ながら自分に都合のいい意見を言う人に付いてしまいます。母の言うことが正しいかなと思いながらも楽な方へ付くわけです。そうしているうちに子どもは、自主的な判断が育たず、大人の顔色をうかがって生きていく癖がついてしまいます。
 
どうか、ご夫婦でお子さんをどう育てるか、どういう子に育ってほしいか話し合ってください。もしかすると夫から見ると母であるあなたが、あまりにも子どものいちいちに干渉し過ぎていると思っていて、それにブレーキをかけて子育てのバランスを取ろうとしているのではありませんか?あなたは子どものみならず夫にも小言を言い過ぎていないか反省してみてください。その上でなら、夫も話し合いに応じ、子育てルールの一本化に協力してくれるのではないでしょうか。
case 28

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