男って何?女って何?【夫婦編】「お金さえあれば夫がいない方が楽?」

Q. 
結婚して28年、子どもが3人いましたが、今年、下の娘が就職しひとり暮らしを始めたので、夫と2人の生活が始まりました。実際そうなるまでは、新婚時代のような生活を思い出し、少しわくわくもしていたんですが、子育て生活が長かったことで、「夫婦=男と女」ではなくなってしまったことに気付きました。夫の存在は、あってないようなもの。一緒に生活を作ってきたはずなのに、〝一緒に〞という感覚がありません。正直言って、子どもがいなくなった今、お金さえあれば、夫もいなくなってくれた方が楽です。確かにわくわくしていたのに夫もいない方が楽と感じます。始まったばかりの2人の生活がこれまでより長くなるかもしれないと考えると不安ばかりで暗い気持ちになります。
 
A. 
多いんです、こういう方。仕方ないですよね。28年の結婚生活、3人の子育ての中で夫婦が一緒にいた時間はとても短いですから。たとえば6才以下の子がいる世帯の1日の家事と家族のケアの平均時間は、妻7時間2分なのに比べ、夫1時間16分(2011年総務省調査)なんです。
 
リカちゃん人形が誕生して、今年で50年になります。当時リカちゃんのパパは「行方不明」という設定で長いこと人形すらありませんでした。「行方不明」ってすごいですよね。父親、即ち夫はどこの家庭でも「行方不明同然」で影が薄いというわけです。最近やっと、料理をしたり子どもたちを風呂に入れたり1年間の育児休暇も取ったようです。
 
子育てをちょっと手伝っただけで「イクメン」ともてはやされ、女の私達もつい「育児や家事を手伝ってくれています」などと言ってしまいますが、女は仕事を持っていても家事育児は当たり前。こんな状態で生きてきた28年の結婚生活は、夫婦がそれぞれの意見や価値観を言い合い、お互いの違いを認め、対等に暮らす日々とはほど遠かったことでしょう。それぞれの趣味に相手を誘ってみたり、時には時間を作ってお茶をしながらゆっくり語り合うなど夢のまた夢。そして気がつけば2人の間の緩衝材だった子どもはいなくなっています。
 
おっしゃる通り、2人で「一緒に」やるトレーニングをしていないわけですから、「お金さえあれば夫もいなくなってくれた方が楽」と思うのは当然です。中にはちょっと無理して夫に高額の生命保険をかけ、亡くなるその日を楽しみにしているという人だっています。
 
テニスや卓球の混合ダブルスの試合を観たことがありますか?近頃のトップ選手の多くは、体力の消耗を避け、シングルスに専念するという話を聞くと、ダブルス、特に混合ダブルスは、とても体力と神経を使うことなんでしょうね。でも、90年代にテニス界で活躍した米国のジョン・マッケンロー選手が初優勝したのは18才の時。幼なじみの女子選手と組んだ全仏オープンの混合ダブルスでした。卓球の石川佳純選手と吉村真晴選手は48年ぶりに世界卓球選手権混合ダブルスで優勝しました。シングルスのとがった試合の雰囲気は消え、卓球台の前で157cmと177cmの2人が流れるように体を入れかえる美しいリズムは、観客に感動を与えました。どうかお2人でこれから混合ダブルスのトレーニングを始めてみてください。
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