男って何?女って何?【夫婦編】「夫には子育てに口出ししてほしくない」

 
Q. 
現在6歳の息子がいます。少子化で大学経営が大変って言われてますけど、一流大学は益々受験競争が激しくなってますよね。そのせいか、ママ友の話題は小学校受験のことばかり。子どもの将来のために乗り遅れるわけにいかないので、3歳から塾に通わせ、なんとか合格ラインまできました。なのに先日、夫が息子に「パパは3日間休みなんだけど、一緒にスキーに行くか?」って息子を誘うんです。子どもは「行く!」ってなりますよね。夫に「この大事な時に何よ!」って怒鳴ったんですけど、夫は「男の子の教育には父親と遊んだっていう経験が大事なんだ」って言うんです。この4年間の私の苦労をなんだと思ってるんでしょうか。普段子育てに関わっていない夫には口を出してほしくないです。
 
A. 
人は赤ちゃんから乳児期、幼児期、児童期、青年期と段階を経て発達し大人になっていきます。そして、それぞれの段階には、発達の目安となる「発達課題」があるとされています。幼児期前期の2、3歳頃までに子どもは、自分の「体の主人公」になり始めると言われています。もちろん、人間は他の動物と異なり、発達にはかなりの柔軟性があり、個人差もあるので、あまり窮屈に考えなくてもいいのですが、あなたのお子さんは、ちょうどこの幼児期後期に当たる時期に塾で受験勉強をしてきました。この時期、子どもは遊びや生活のほとんどの場面で自分なりのやり方をイメージして実行を試み、自主性が育っていきます。大人のイメージの押しつけの元でいつも行動させられると心の萎縮や必要以上の罪悪感が作られることになります。「一流大学合格=子どもの幸せ」と思っての受験勉強4年間は、そういう発達段階の時期に当たっていました。
 
さてあなたは、何とか「希望の学校」への合格が見えてきた時、仲間と思っていた夫が反逆して、まるで受験勉強を邪魔するかのようにお子さんをスキーに誘った。あなたとしては、息子の将来にとって大切なのは、一流大学に入学して一流の会社に就職することと考えているわけですし、塾で勉強していたのはお子さんだけでなく、親の面接に備えて、あなたも指導を受けていたでしょうから、そりゃあ腹も立ちますよね。でも、ちょっと考えてみてください。息子さんにとっての将来の幸せって、本当に一流大学に入学することでしょうか?受験戦争を勝ち抜いて一流大学に入学すれば、将来の幸せは保障されるでしょうか?
 
あなたは、この4年間、必死で息子さんの将来を思って子育てをしてきました。当然夫も同じ方向を向いていると思っていたし、あなたの子育ての仕方を応援してくれると思っていたわけですよね。ところが夫は、あなたのしていた子育てを支持していたわけではなく、関わらなかったので口を出さなかっただけだったのでしょう。受験は目の前に迫っていますが、ここは夫婦の価値観がずれたまま進んでいいところではありません。「夫には口を出してほしくない」と夫を排除するのではなく、どんな子育てをしたいのか、しっかり話し合いましょう。夫婦で子育てをしている以上、お二人の考えが違ったままでは、お子さんも気持ちが不安定になってしまいます。
case59
 

ページ上部へ