男って何?女って何?【恋愛編】「妊娠したって彼に言えない」

 
Q. 
彼は大学の同級生で、付き合って4年になります。先月、いつもほとんどずれることのない月経が2週間も遅れたので産婦人科を受診したら、妊娠と言われました。最近では、でき婚も珍しくないので、結婚前でも妊娠を素直に喜ぶ人も多いと思うんですけど、私の場合、彼の子を妊娠して、私は産みたかったのに彼に堕ろすように言われて堕ろしたことがあるので、素直に喜べないんです。その時は、学生だからって彼に言われたんですけど、私にはそれだけには思えなくて、今回も妊娠したって言ったら、何か理由をつけてまた堕ろすように言われるんじゃないかって思って言い出せません。彼に父親になる覚悟ができているとは思えないし、結婚したいのかも分からないんです。
 
A. 
「82年生まれ、キム・ジヨン」という韓国のフェミニズム小説を知っていますか?昨年末から今年にかけて、日本でも話題になり、韓国では映画化されるそうです。女性を脇に追いやる社会のあり方を静かに暴いているのですが、それが日本と似ているのです。男子学生が牛耳る大学サークルや、就職での差別、職場での給与格差などが出てきます。この小説の中で圧巻なのは「子どもを持とう」という夫の言葉に主人公が「私はそれによって健康も同僚も未来も失うかもしれないのに、あなたは何を失うの?」と言い返している場面です。
 
あなたの場合、主人公キム・ジヨンとは逆の事例ですが、底辺を流れる思想は同じです。男の都合によって、産みたかった子どもを堕ろし、赤ん坊の命やあなたの健康と未来を奪い、その上、父親になる覚悟はおろか結婚したいのかもわからない。子どもを持ちたがる男は、女を縛っておきたい男、子どもを拒否する男は、女に縛られたくない男です。どちらも男中心の関係を築こうとしていることに変わりありません。どうか、もう目を覚ましてください。最初の妊娠もあなたは産みたかったのに、「学生だから」という理由で堕ろすように言われて堕ろしていますが、「学生だから妊娠したら堕ろす」のなら、なぜ万全の注意を払って避妊しなかったのか…。その上、2度目の妊娠も、何か理由をつけてまた堕ろすように言われるんじゃないかという不安な状況の中で言い出せない。「結婚前でも妊娠を素直に喜ぶ人も多い」のに、なぜ2度も妊娠を喜んでもらえないのか?彼はあなたとあなたの中に宿った2人の愛の結晶であるはずの小さな生命の未来を大切に思っていないのです。
 
付き合って4年になるとのこと。こういう男性と長い年月付き合ってしまうあなたは「自己肯定感」が低いと思われます。幼い頃、父母や周りから承認される事が少なく、自分を認めてもらったり、ほめてもらいたいのに否定されたり。非難されて育っていると恋愛の中で相手に承認肯定されたいために、頭では「この人は私を本当に愛していないかもしれない」と思っていても、相手の喜ぶように顔色を伺って行動してしまいます。今回のことで一度自分の生育歴を見直したり、「自己肯定感」を高めたりしてみてください。「アダルトチルドレン」といって、承認されたい小さな自分が心の中にいるのかもしれません。自分で自分を認めて、健全で健康な恋愛に向かわれることを願っています。
case66
 

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