女って何?女って何?【夫婦編】「惰性でしかない夫婦関係」

 
【Q】
結婚して25年、子どもたちが成人してしまった今、夫婦関係は惰性でしかありません。
毎日同じことの繰り返し。2人分の朝食を作り、夫を送り出し、夕飯の買い物をし、夕飯を作り、夫と夕飯を取り、テレビを観て寝る。寝室も一緒だし、月に1回くらいではあるけれどセックスレスというわけでもなく、こういうのを幸せっていうんだろうなあって思ってはいるんです。でも、夫に愛情を感じているかといえば、まったくないし、かといって強い拒否感を持っているわけでもない。要するに、毎日何も感じずに時が流れていくだけなんです。50歳を目前に、あと何年こういう生活が続くんだろう?30年?40年?って考えると「私って生きてる価値があるんだろうか」って、気持ちが沈んでいくんです。特に好きな人がいるというわけでもないので、離婚なんて考えられないし、趣味を楽しみたいとも思わない。20年くらい前は、夫といることが楽しかったし、子どもを育てている時は、自分の存在意義みたいなものを強く感じていたんですけど、今は…
 
【A】
「人生脚本再決断法」というカウンセリング技法があります。
人は誕生した後、周りの人たちから様々なストローク(人から人への働きかけ)を受けて育ちます。それらの中には、後の人生に影響を及ぼすものがあって、幼児は人生早期の経験に基づいて「自分とはこういうものだ」「周りの世界はこういうものだ」と決め、同時に「そのような自分がこの世界でどのように周りの人たちと関わり合って生きていくか」を決める幼児決断を行い、この決めたものに従って、人は死去するまで人生を送っていく。4歳ころには自分の人生脚本の要点を決め、7歳から10歳くらいには、こと細かに脚本を完成させると言われています。(エリック・バーン1910~1970 交流分析)これをカウンセリングでは、「無意識の人生計画」と言っています。
 
古くはこの脚本を「決定され、固定されたもの」とみなしていましたが、個人が自分で決めたものですから、現在では本人が気づけば決め直すことができる」と考えられています。そしてこれを、一度書いた脚本を書き直すという意味で「人生脚本再決断法」と呼んでいます。
 
あなたは、幼児期の体験から決めた人生脚本をなぞって人生を送ってきました。お子さんを育て、夫婦2人だけの毎日。同じことの繰り返し…。50歳を目前に、あと30年、40年こういう惰性のような生活が続くと思うと、「私って生きている価値があるんだろうか」と気持ちが沈んでいく、とおっしゃっています。子育てには、自分の存在意義みたいなものを強く感じていたとのこと。子育てが終わった今、ご自分の人生脚本を書き直してみてください。
 
例えば、
 ①自分の一番はじめの記憶はなんだったのか?
 ②あなたの誕生について家族の中で語られている物語は?
 ③あなたの名前の由来は?
 ④母親、父親からよく言われたアドバイスは?
 ⑤母親、父親は、あなたに将来どうなってほしいと言っていたか?
 ⑥自分の一番好きなところはどこか?
 ⑦自分の一番嫌いなところはどこか?
 ⑧子どものころ好きだった物語、童話、おとぎ話、テレビ番組などは何か?
 ⑨あなたにとって「この世の天国」とはどんなものか?
 ⑩母親、父親にもっと違った育て方をしてほしかったということがあるか?
 ⑪魔法で何でもかなえられるとしたら何を望むか?
などの質問に答えていってみてください。
 
この答えの中に、今までたどってきた人生脚本の基本がどんなものだったのかを理解し、人生脚本の再決断の準備をしてください。一歩先に進む勇気を持てれば、今までと違った人生脚本が書けると思いますよ。

第258回

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