男と女のQ&A【職場編】「たまたま休暇が重なっただけなのに…」

【Q】
夏は暑くて薄着になるし、気持ちも開放的になるので、社内で男女の問題がクローズアップされがちなんです。露出度の高い女性に男性の視線が集中したり、なんとなく気持ち悪い雰囲気の男性が増えたり、男女共にこそこそナンパ合戦みたいなことをしてみたり…。私も、そういう雰囲気に完全に背を向けてるわけじゃないんですけど、どちらかというとそういう雰囲気は好きではありません。
 
それで、8月にまとめて1週間休暇を取って、会社とは無関係な女友達と旅行に行くことにしたんです。うちの会社は一斉に休みになるのではなく、シフト調整をしながら交替で1週間くらい休暇を取るシステムなんですけど、私の休暇とぴったり重なって休暇を取る独身男性がいて、私とその男性の関係が疑われ、社内中で噂になってしまいました。否定すればするほど逆に噂が広がってしまうんです。実は私は社内に好きな男性がいて、タイミングを見て付き合ってほしいって言おうとしていたところだったので、噂が広がってしまってとても困っています。どうしたら噂を収められるでしょうか?
 
【A】
「どうしたら噂を収められるでしょうか?」というご相談ですが、あなたもおっしゃっている通り、「否定すればするほど逆に噂が広がってしまう」ものなので、質問に対するお答えは「放っておくこと」です。昔から「人の噂も75日」とか「人の口に戸は立てられない」とか言われています。今は、様々なことがスピーディになっているので、おそらく「75日」も続くことはないでしょう。メディアでも芸能人や著名人の恋や不倫の話が次々と出ては消え、消えては出ています。800年以上も前の鴨長明の方丈記(1212年)にも「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、ひさしくとどまりたるためしなし。」とあります。
 
事実でないなら噂はそのうち収まりますが、あなたはこの噂を「千載一遇のチャンス」と逆手にとって、「タイミングを見て付き合ってほしいって言おうとしていた」男性との距離を縮めるように動いてみてはどうですか。
 
今回のようなケースに生かせる心理学的なアプローチはけっこうたくさんあります。それを利用して、こんな風にやってみてはいかがでしょう。
 
まず、心理的リアクタンス(別名、ロミオとジュリエット効果)を利用する。これは、禁止されたことに反発する人間心理が基本になっていて、他の異性の存在を匂わせて相手からの告白を誘ったり、相手の何でもなかった気持ちに刺激を与えて、気持ちに火をつけたりするのに効果があります。この心理を利用するとしたら、噂が彼の耳に届くくらいまで広げることです。彼の耳に入っている最中に「会う回数が多ければ多いほど相手への好意が増す」という「単純接触仮説」を利用する。そのために旅行から帰って初めて出社する日に、「友達と旅行してきたお土産です」と彼にお土産を渡しましょう。これには皆さんご存じ(?)の「揺れる吊り橋を渡ると人はドキドキを感じる」という「吊り橋効果」も潜ませておく。何かの不安や恐れがあると人は心が動きやすくなるので、あなたに恋人がいるという噂が広がっている状況でのプレゼント(お土産)は効果があるはずです。饅頭やクッキーという類いのものではなく、「女性が好きな男性のために選んだ一品」というようなものを渡しましょう。さらに、周りの人たちには饅頭やクッキーといった類いのものを配ります。あなたの気持ちが「噂の相手」に向いているのか「僕」に向いているのかという揺れる気持ちの中で、「僕は彼女にとって特別な存在?」というドキドキ感が恋の始まりになることでしょう。もちろん、失敗する大きなリスクもあります。あなたは彼のことをどれくらい知っていますか?リスクを減らすには彼の性格をあなたが十分知っていることが大切ですよ。
第261回

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