男と女のQ&A【夫婦編】「会社での地位の差が…」

【Q】結婚して15年、夫は40代半ばになり、会社でのポスト争いも厳しくなってきているようで、帰宅時間が遅かったり、早く帰ってきた時でも疲れがひどいようで、不機嫌な日が多くなりました。同期や後輩でも有名大学卒の人たちはそれなりのポストについているようなのですが、夫は課長職にとどまったまま、差をつけられているみたいなんです。私もIT関連の会社に勤務していて、社内に男女差はなく昨年部長になりました。夫は六大学より若干偏差値の低い大学卒で、私は国立大のそれなりのところなんですけど、夫は私が部長になってから私の給料の方が少しいいこともあってか「おまえは一流大卒だからな」と皮肉っぽく言うことが多くなりました。会社の規模も違うし、仕事の内容も違うので、管理職のなりやすさなんて全然違うし、そもそも会社でのポストが上なら偉いわけでもなく、社内の地位で夫婦や家族が幸せになるわけでもありません。夫は、結婚前から私との学歴の差がコンプレックスになっていたようで、学歴のことで冗談を言ったりしていたんですけど、最近の夫は、怒鳴ったり、物に当たったりすることもあり、このまま一緒に生活を続けられるか不安を感じています。
 
【A】「急増する“夫より学歴が高い妻”」、そして「その幸福度が低い“深刻な事情”」というタイトルでプレジデントオンラインが佐藤一磨拓殖大学教授の研究を発表したことがあります。(2021年9月)OECD諸国のほとんどの国において、女性の大学卒業率が男性より高く、その結果「妻の方が夫よりも学歴の高い夫婦」が増加しているという調査です。この変化はこれまでには見られなかった傾向で、夫婦のあり方の歴史的転換点に差しかかっていて、日本でもじわりと増えていると指摘しています。
 
そして、その夫婦の「幸福度が低い深刻な事情」として、「妻の収入が夫の収入より高いこと」と「妻の1日の家事・育児時間の負担割合が7割を超えており、妻の負担が重いこと」を挙げています。あなた方はどちらも大学卒ではありますが、卒業した大学に格差があり、あなたの方が上ということで夫が荒れているとのこと。この世界的傾向の一端を表していると考えられます。
 
あなたは、収入のこともありますが、直接的には大学格差による昇進の差が問題とお考えのようです。結婚前から大学格差のことが夫のコンプレックスになっていたことを考えると、妻のあなたにはない男女間の「性別役割分業意識」、古い言い方をすれば「家父長制」の名残があなたの夫には根強く残っているということでしょうか。
 
女性が男性に求める結婚相手の3条件が3高(高学歴・高収入・高身長)であった時代そのままの生育歴の男性ですね。世の中はどんどん変わっていて3高から3優(家族に優しい・家計に優しい・私に優しい)となり、今では3C(comfortable(十分な給料)・communicative(価値観が一緒)・cooperative(協調性))とか、3平(平均的収入・平均的容姿・平穏な性格)とか言われるようになりました。
 
男女雇用機会均等法(1972年)から男女共同参画社会基本法(1999年)など、日本でも女性が活躍できるよう政治、経済、社会的・文化的利益と責任を男女が均等に担う社会を目指すことを規定した法律もできました。
 
現実にはまだまだあなたの夫のように考える男性が多い社会ですが、この世界的な動きを止めることのないご夫婦になっていただきたいものです。そのためには、あなたが結婚相手に選んだ男性の長所や好きになったあなたの気持ちを繰り返し夫に伝えたり、学歴や大学格差を気にすることのない時代になりつつあることを話してみてください。もし、そういう話を理解できない夫であるならば、離婚も考えざるを得ないかもしれませんね。
第273回

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