【子親編】「義父に身体を揉まされる私」

【Q】
結婚して3年、まだ子どもはいません。夫は一人っ子で、将来は夫の両親との同居も選択肢の一つと考え、夫の実家から歩いて5分くらいのところに住んでいます。私も働いていますが、夫は食事を済ませ夜遅く帰ってくることが多く、そんな日は私だけ夫の実家にお邪魔して夕飯をご馳走になることもあります。嫁というより、まるで娘のようにかわいがってもらっています。でも最近、実家を訪ねると必ず義父に身体を揉まされるんです。きっかけは、義父の肩が凝っていると感じた私が、「お義父さん、肩揉みましょうか」と声をかけたことでした。はじめの頃は、私が声をかけなければ揉まされることはなかったのですが、徐々にそれが日課のようになり、今では夕飯をご馳走になりに行くというより、出張マッサージのようです。しかもほとんど裸のような格好で全身を揉まされ、「いい嫁だ」「かわいい嫁だ」とか言われると、「触りたくもない!」と叫び出したくなります。両親との関係は、切ってしまえない関係なので、将来のことがとても不安です。

【A】
あなたは、「将来のことがとても不安です」とこの相談を結んでいますが、ハッキリ言って将来は何の心配もありませんのでご心配なく。
あなたは、この「裸のような格好で全身を揉まされる関係」が発展すると将来どういう不安が生じるとお考えなのですか?
私にはどうもお義父様との「性的関係」を「無意識」のうちに心配していらっしゃるように思えるのですが、違いますか?
ドイツの精神科医、ジークムント・フロイト(1956-1939)は「人は無意識によって動かされる」と言っています。そして、このお義父様への「出張マッサージ」的行動は、お義父様からの欲求ではなく、あなたからの積極的働きかけ「お義父さん、肩揉みましょうか」という声がけから始まっています。「はじめの頃は私が声をかけなければ揉まされることはなかった」とあるところから、かなり何度もあなた自身が「お義父さん、肩揉みましょうか」と声をかけていたことが窺える。それも、「義父の肩が凝っている」と「感じた私」がです。まず、感じたのはあなたなわけで、それはフロイトのいう「無意識」のレベルで、義父の肩を揉むことで「いい嫁」「かわいい嫁」と思ってもらいたいという思いがあなた自身の中にあったということです。
また、なぜお義母様ではなく、お義父様なのか?
もしかすると、お義父様が自分の肩を自分でトントンしているのを見たりしたのかもしれませんが、それにしてもあなたは、お義母様には声をかけていない。当然のことながら、義父と嫁という関係とはいえ、あなたは無意識のうちに義父を異性と認識して声をかけているのです。
よく言われることですが、「父親と女性の好みと息子の女性の好みは似ている」とすれば、お義父様も嫁のあなたを憎からず思っているであろうことを、あなたは無意識のうちに承知しながら声をかけているのかもしれません。
「夫は食事を済ませ夜遅く帰ってくることが多く」とあり、そんな日はご自分から夫の実家へ出向いている。回が重なり「触りたくない!」と叫びたくなっているとのことですが、最初に「夫の代わり」のようにして、義父に触りたかったのはあなたの方なのかもしれませんよ。まだお子さんがいらっしゃらないようですが、「赤ちゃんできました」とでも報告するチャンスに恵まれれば、その一言でこの出張マッサージ風の習慣はなくなります。あるいは「今度はお義母様を揉みましょうか?」とでも言ってみてください。あなたの無意識の中にある義父に「褒められたい」「触りたい」という気持ちにあなた自身が気づいてくれさえすれば、すぐにでもやめられることですから。
まだ、お義母様の嫉妬は買っていないようですが、そろそろそういう危険もあるので、この習慣はやめる時期に来ているようですね。
とはいえ、帰宅の遅い夫を待ちわびて、夫の実家でその寂しさを埋めるとは、なんて「いい嫁」「かわいい嫁」なんでしょう。

第5回

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