【職場編】「女なんだから我慢しろ!」

【Q】
今春、専門学校を卒業して就職しました。美術系の学科だったこともあって、学校への求人はあまりありませんでしたが、パッケージのデザインの仕事の求人があり、やりたかったこととピッタリだったので、面接を受けました。面接では「いきなりデザインというわけにはいかないが、実力さえつけばデザインの仕事をやらせる」ということだったので、合格した時は小躍りするほど嬉しかったです。
1ヶ月の研修があり、配属されたのは総務部、社長の世話係。秘書のようなといえば聞こえはいいですが、実際やっていることといったら、社長にお茶を持っていったり、プライベートな世話をしたり・・・。「君はなかなか気が利くね」と褒めてくれるんですが、褒められれば褒められるほど、嫌気がさしてきます。会社を辞めようかと、一応学校からの紹介だったので進路指導の先生に相談に行くと「おまえ、女なんだからそれくらい我慢しろ」と言われてしまいました。

【A】
残念ですねぇ、悔しいですねぇ、全く!
2012年、21世紀が幕をあけて12年も経つのにこんな言葉が、しかも専門学校の進路指導部の先生から出るなんて!大体この会社の社長もプライベートな世話をさせる?「肩が凝ってるから、ちょっとここの所を叩いてくれないかね」とか、
「痛風の(あるいは糖尿の)薬をまた取りに行っておいてくれないかね」とか、
「その帰りに、ホレ、わしの好物のアレ、アレを買っておいてくれたまえ」みたいな…
もう言語道断、その会社はどこの何つう会社!?
その専門学校の教師は何て名前!?
訴えてやりましょうよ、2人共、パワハラ、セクハラで!
と私も怒り心頭に達するわけです。

私がご相談者の年齢だった50年前にはこういうことは日常茶飯事、母に怒りをぶつけても「世の中そういうもんだよ」と言われ、「会社でいい子をするんだよ、仕事場がどうしても嫌なら早く結婚したらいい」となだめられ、結婚すればしたで「お前は俺の女房だろ、俺の言う通りにするに決まってる!」と言われる時代でした。
ああ、50年早く生まれすぎた!
あと50年後に生まれたかった!
と、日毎夜毎悔しい思いを重ねてきました。
そして、私の後輩達にはこんな悔しい思いをさせたくない、そう思って頑張ってきたのですが・・・。
表立ってのパワハラ・セクハラは減ってはいますが、意識の深い部分では、あまり変わっていないのが実態です。

私の研究所へも「夫が毎日機嫌が悪く私の作ったご飯や味噌汁を食べる気にもならないと食卓に投げつけ、子どもや飼い猫にも当たります。時には戸棚を壊したりします。私は夫をどうなだめ、どう振る舞ったら優しいいい妻になれるのでしょうか」とか、
「夫は9年前から色々な女性とつきあっています。私が夫を癒してあげられないからだと言われて我慢しています。どうしたら夫に喜んでもらえる奥さんになれるか教えて下さい」と、一生懸命「いい妻、いい女」に自分が変わる事を求めてお見えになります。
さて、ご相談者の方、悔しいですね。どうしましょうか?
もし、もう一度進路の先生に会う機会があったら、発言を取り消してくれるように普通のトーンで言ってみることから始めてみませんか?
出来れば毅然として・・・

そして会社でも少しずつ自分の専門の仕事をやらせてもらえるように頼んでみましょう。その代わり私たち女性も「女だからこのくらいで・・・」という甘えはしないことにしましょう。世の中で上位にいる男性だって、まったく逆な意味できついのですから。

第6回

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