【恋愛編】「いい人がいい彼氏とは限らない」

【Q】
彼とは友達の紹介で知り合いました。彼はとてもいい人です。例えば、待ち合わせで私が待たされることはないし、レストランに行けば必ずドアは開けてくれるし、メニューはまず私に見せてくれる。何かチケットを買うときだって、すぐ並んでくれるし、重い荷物だって、いつの間にか彼が持ってくれている。そんな人なんです。紳士っていうか、大人っていうか・・・。友達には「あなたの彼って、すごくいい人だよね」って言われます。でも、そう言われれば言われるほど、私が気の利かないわがままな女って言われているように感じて、悲しくなります。もしかすると、彼が私に優しくしてくれるのは、私のためじゃなくて、彼自身が周りからいい人って思われたいからじゃないの?って思える時もあるんです。彼とのいい関係って、お互いにわがままが言えたりするのも大事なんじゃないですか。彼が私にわがままを言わないっていうだけじゃなくて、彼がいい人だから、私も彼にわがままを言えないんです。

【A】
まったく恋人や夫をほめられた時って、こういう気分になりますよね。
皆さんも経験ありませんか?
自分の彼氏をほめられているんだから、ちょっと見方を変えれば、「そうでしょ。私の彼ってとってもいい人。そんな彼に愛されている私って幸せ」と自慢になったっていいはずなんです。なのに、なかなかそうは思えない。
彼氏をほめられた瞬間、
「ええ、ええ、どうせそうですよ。私なんて彼には不釣り合いな女ですよ」
なんてなってしまう。
あなたは、周りから自分の恋人がほめられればほめられるほど、自分が惨めに思えてくる。悲しくなってくる。実は彼は自分をよく見せたくてやってるだけ?
こんなふうに感じてしまうんですね。もしかすると、あなたはアダルトチルドレン(AC)かもしれません。
小さい時、ご両親のどちらか、あるいは両方から「いい子」になることを強要されて、なんとか親の気に入るように生きようと頑張った。頑張っても頑張ってもなかなか認めてもらえない。それでもまだ頑張った。その生き方の癖がついてしまって、つい頑張って「いい子」「いい人」に見られたいと行動する。
あなたは、そんなところがありませんか?
さて、今のあなたの彼は、誰からも「いい人」とほめられる。
「えっ?! それじゃ私の出番がないじゃない!」
と焦ってしまって、「わがままを言い合える関係がいい関係?」と悩んでいる。確かにカップルのどちらかが「いい人」であればあるほど、相手の価値は反比例して下がるわけなので、あなたの感覚もまったく間違ったものとも言えない。そして、“最悪の場合”は、結婚するまで、いえいえ結婚した後も「いい人のふり」というのもありますから、あなたの悩みはずっと続くかもしれません。「ふり」なのか、あるいは本当にあなたを大切に思っている「いい人」なのかは、直接接しているあなたが見極めてください。そして「ふり」だと分かったら、即刻別れた方がいいと思いますよ。
でも、もし迷うようなら、その「いい人」が少しでも長続きするように、素直に「ありがとう」という感謝の言葉や「うれしい」という態度で受け入れて、二人の本当にいい関係を築いていってください。
彼の「いい人」を「素直に受け入れる女性」という立場こそ、今まさにあなたの出番なのです。もし彼が、「いい人のふり」の人だとしても、あなたの率直な「ありがとう」という感謝の言葉やあなたの「うれしい」という態度に触れて、「いい人のふり」が「本当のいい人」に変化していくかもしれません。

※アダルトチルドレン
一般に「アルコール依存症の親がいる家庭」「親からの虐待」などで育ち、その体験が成人になっても心的外傷として残っている人をいう。破滅的であったり、完璧主義であったり、対人関係が苦手であるなどの特徴がある。(Wikipedia参考)

第7回

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