【職場編】「上司の声のかけ方が・・・」

【Q】
大学を出てすぐに今の会社に就職しました。就職して5年目、営業職です。毎年、女子社員を数名は採用しているので、私のあとから入ってきた人もけっこういたんですが、会社の雰囲気が合わないのか、1年も経たないうちにやめてしまう人がいたり、寿退社がいたりで、私の下の女子社員は4人しか残っていません。そうは言っても、5年も経つと中堅で、自分ではバリバリ仕事をこなしているつもりです。上司にはかわいがってもらっていると思います。でも、どうしても嫌なことがあるんです。それは、上司が体型のこと、服装のこと、髪型のことなど、私が気にしているようなことをしょっちゅう言うことです。「スマートになったね」とか「今日のスーツ似合うねえ」とか「髪、切ったんだ?」とか・・・。悪意があるとは思えないし、セクハラとも感じないんですが、「私が男だったらこんな言い方しないよね」と思います。しっかり仕事をして、男性にも負けていないつもりなのに、そんな上司の言葉を聞くと、やる気が失せてしまうことがよくあります。

【A】
この話、男性の方が聞くと「スマートになった」「スーツが似合う」「髪、切った」等々「えっ?どこが悪いの?この上司。あなたへの関心度が高くて、その上ほめ上手じゃないの? どこが嫌なわけ?」と思う人が多いんじゃありませんか?
いえ、もしかすると、女性の方の中でも「ほめられてるんだもん、私だったら嬉しいかも」なんて思っちゃう人がいるかもしれませんね。
でもあなたは「悪意があるとは思えないし、セクハラとも感じない」けれど、「私が男だったらこういう言い方しない」と感じていますね。
あなたのこの感覚に、私は拍手を送ります!
そう、あなたの感じる通り、もしあなたが男性社員で「××君、スマートになったね」とか「そのスーツ似合うね」とか「髪、切ったんだ?」とかいう上司がいたら、周りが「××部長ってちょっと変なんじゃない?」とか「××君のこと好きなんじゃない?」ってささやいてしまいますよね。
そう、その通り!あなたが感じた通りで、この台詞は、女性の「恋人」「妻」への関心を示す表現として使われるフレーズなのです。この上司が本当にあなたにそういう意味で関心がある(あなたに恋愛感情を抱いている)か、ほめ方、励まし方を間違っているかのどちらかです。

でも、女性社員が1年も経たずに退社したり、結婚したりするとのこと。この上司の表現が代表しているように、あなたの会社は女性を大切に扱っている“ふり”をしているだけで、本当は「女なんて、着ているものや髪型でもほめておけばよく働くもんさ」という女性観が会社全体に漂っていると思われます。とても残念なことなのですが、私たち女性も、「私は女なんだから、まあこんなもんで・・・」と自らディスカウントしてしまうことがよくあり、私自身やってしまったりします。長い間、作られた女性観によって、「女はかわいくて、優しくて、おとなしくて、男性にかわいがられるのが幸せ」と思い込まされてきたわけですから、そのように行動してしまうのも当然のことなのですが。

「シンデレラ」や「白雪姫」「眠れる森の美女」の話でわかるように、いつも男性に従順で男性を待っているだけの女性は、好きになってくれる白馬の王子が現れ、幸せになります。ところが「人魚姫」のように、自ら王子を好きになるまったく逆の女性のパターンでは、自分の意思で魔女から足はもらうものの、声は奪われ、最後は海の泡となってしまいます。

さあ、そろそろ「白雪姫伝説」にさようならをしませんか?! 
あなたの感覚を信じて、上司にはタイミングを見て、あなたの気持ちを話せるといいですね。無理でしょうか・・・
これはもう、充分にセクハラなんです!
もし、これをお読みの男性上司の方々は、お気をつけください!
あなたの会社は、社内に「セクハラ委員会」とかがあるほど大きな会社ではなさそうなので、女性社員全員で上司に「不快」である旨、伝えてみる勇気が出るといいですね。まず、女性みんなの気持ちを揃えることが大切です。
応援しています!

第11回

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