【子親編】「子どもができないことで態度が変わった夫と義母」

【Q】
30代も半ばを過ぎ、焦ってたっていうか・・・。36歳のとき、お見合い結婚をしました。結婚して5年になりますがまだ子どもはいません。夫が長男ということもあり、夫と夫の両親は子どもをほしがっています。今考えると、そのための結婚だったのかもしれません。2年ほど前から不妊治療を始めましたが、まだうまくいきません。そのせいか、姑からの風当たりが強くなってきました。結婚して間もないころは、私にすごく気を遣ってくれて、いい関係のように感じました。でも、違ったんです。私に気を遣ってくれていたんじゃなくて、夫のご機嫌を取るために私に気を遣ってる風を装っていたんです。夫の態度も最近は変で、私と姑が険悪な雰囲気になると必ず姑の側に立って意見します。なんか夫と義母の距離が近いっていうか、義母は夫に義父の代わりをやらせているように思います。

【A】
あなたの問題の根本は、あなたが感じているように「義母が夫に義父の代わりをやらせている」というところにあります。今、子どもができないことで問題の根本がはっきりしてきましたが、たぶん、今までもこれからも、このこと(夫と義母の距離が近いということ)があなたと夫との関係をゆがめていくことと思います。ただでさえ不妊治療は女性の側に肉体的精神的負担がかかる辛いものですが、このような夫と義母の態度では、ますます妊娠の可能性を少なくしてしまいます。

また、もし不妊治療がうまくいって妊娠でき、出産したとしても、めでたしめでたしと終わるわけではなく、折に触れ、事に当たり、夫と義母の距離の近さは問題を引き起こすことでしょう。お子さんの成長にさえ悪影響を与えかねません。もちろん、あなたの人生も不幸になるかもしれませんね。

大げさなことを言うように思うかもしれませんが、こうしてお話しすることで問題の根本がはっきりしたのですから、この際「私と義母が険悪な雰囲気になると必ず義母の側に立って意見する」夫と話し合い、問題解決を目指しましょう。そうしないと、一生あなたはこの問題で苦しむことになります。

いわゆる「マザコン長男と子離れしていない母親」の距離を遠ざけるのは一朝一夕では難しいことですが(30年以上もの間、夫と義母はそれで心地よく生きてきたのでしょうから)、人間は「変わる」という特徴を持った動物です。そして、夫婦の関係は二人で築いていくものでもあります。夫や義母を責めるとか攻撃するとかいう態度ではなく、今、私に相談していることを自分の気持ちを抑えたり、我慢したりせず、まっすぐそのまま夫に訴えてみましょう。

あなたの相談は、「事実」というよりは「自分はこう思う」「自分はこう感じた」ということが主で、多少は思い込みの部分もあるかもしれません。また、「つらい」とか「悲しい」とかいう感情も出していないのですが、「私は~のように思ってとても辛い」とかいう話し方で、諦めずに夫と何度も何度も話してください。

その話し合いの中で、夫が義母との距離の近さに気づき、あなた自身も30代半ばを過ぎたための焦った結婚だったけれど、夫を愛し、義母と夫の距離よりも、あなたと夫の距離を近くする工夫をすれば、そのことがきっと「小さな命の誕生」に近づくことにもなると確信します。

第30回

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