【職場編】「私って女性として扱ってほしい!」

【Q】
私の会社はそれなりの規模で、私の勤務する部署だけで、女性の同期入社が5人、男性の同期入社が8人います。同期はみんな仲がいいし、先輩や後輩にもあまり嫌な人はいないので、勤めやすい会社かなあと思います。でも、どうしても嫌なことがあるんです。それは、同期の中だけじゃなく、先輩・後輩、しかも男女を問わず、私だけが女子の中で女性扱いされていないこと。確かに私は「ボンキュッポン」じゃないし、髪の毛も長くない。でも、一生懸命女の子らしくお化粧したり、振る舞ってるつもりです。まあ一応、先輩・後輩は“さん”付けで呼んではくれるけど、同期の連中からは苗字を呼び捨て。他の女の子はみんな名前か苗字に“さん”付けなのに・・・。男性から飲みに誘われるときも「おい、ほら行くぜ!」みたいな感じで、完全に男扱い。そのせいか、最近女子会には出にくくなっちゃってるんです。このままだと、恋愛・結婚なんて雰囲気全くないし・・・。私だって、男性から女性として扱ってもらいたいです。

【A】
男性の同期の人から「おい、ほら行くぜ!」みたいな感じで扱われるのが嫌なんですね。「女性として扱われたい!」とは、要するに、男たちから「弱くて自分たちより何もできなくて自分たち男が守ってやらなくちゃ生きていけない劣っている人間」として見られたいということでしょうか?
ちょっとそこまで言うと言い過ぎかな?

外国映画などに出てくる「レディーファースト」として、ドアは必ず男が開けて女を先に通す、道を歩くときは男が必ず車道側、重い荷物は男が持つ、タイタニック号のような避難の時はまず女、子どものような、「弱い」からいたわる、守るということが「女性として扱う」ということなんですよね。これが、習慣や文化の中で築かれている観念なのです。昔、女には、子どもを産み、母乳を与え、子どもが1人で歩き、1人で食べ、少しは安全に生きられるようになるまで、子育てに専念しなければならない数年間があった。その間、女性は、男たちが獲ってくる獲物を待つしかなかった。私たち女の身体は、赤ちゃんが安心して抱かれるのにふさわしく、柔らかくて温かいふくよかなものになった。

でも、そんな原始の時代から遥かに時代の下った現代では、女性も子どもを抱いて男性の獲ってくる獲物を待っている必要はなくなり、常に「弱いもの」として扱われる必要もなくなった。子どもを産み、母乳を与える、そんな役割こそ女性が担わなければならないけれど、人間の文化が生み出した様々な物や方法によって、女性も男性と「対等」の人間として生きられる時代になったのです。

きっとあなたは、男性たちからお荷物のやっかいな「女」ではなく、自分の身は自分で守れ、自分のえさは自分で獲得できる立派な1人の人間として認められているのではないでしょうか?

もしかすると、女性扱いされていないのではなく、男性から唯一認められた「女性」なのかもしれませんよ。

そのことに誇りを持って、今まで通りの短い髪とサバサバとした行動と容姿を自慢に思ってください。それこそがあなたの魅力なのですから。

第46回

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