【恋愛編】「彼の本性は乱暴者?」

【Q】
彼とは合コンで知り合いました。それまでは、合コンなんてもろに男捜しっていう感じで、なんだか「不純」みたいに思っていたんですけど、誰でも知ってる某商社の男性だけだっていうので、思い切って初めて参加しました。みんな紳士ばかりで、“これが合コンかあ。けっこういいかも…”と思いました。その時一番優しそうだったのが今の彼です。見かけは優しそうっていうか、まあほんとに優しいんですけど、この前一緒に飲みに行ったとき、酔っ払って私に絡んだ人に“てめえ、何すんだよ。俺の彼女に絡むんじゃねえ!”ってすごんだんです。今にも殴りかかりそうな勢いでした。その時は「男らしい人!私を守ってくれてありがとう」って思ったんです。でも、時間が経つにつれ「これって、もしかして私に向くことだってあるんじゃない?」って思えてきて、彼の優しさは偽物のような気がしてきました。

【A】
その通り!私もあなたと同じように思います。彼の優しさは偽物って!
先日も妊娠7か月の女性から同じような質問がありました。飼い犬のゆきちゃんがカーテンにじゃれていたら、夫が「この野郎!」と怒って、ボカーンと蹴ったので、小型犬のゆきちゃんはキャイーンと泣いてコロコロ転がってうずくまってしまったというのです。それを見て、彼女はゾーッとしたそうです。

彼女の夫は、日ごろから親戚の甥や姪が騒ぐと「自分が父親なら殴ってでもやめさせる」と言っていたので、小型犬のゆきちゃんが蹴られたのを見て、お腹の子が殴られたらどうしようと恐ろしくなったと言っていました。でも彼女は、夫と喧嘩になることも恐ろしいので、何も言うことができず、そんな自分をどうしたらいいかと相談に来たのです。

「内観法」というカウンセリングのやり方があります。これは仏教の修行の方法から荒行の部分を除いて、自分で自分の心の内側を観る方法で、「身調べ」とも言います。自分の身近な人(多くの場合、母親からはじめます)との関わりを内観する(振り返って考える)だけの簡潔な方法です。内観3条項といって、①(母親に)してもらったこと、世話になったこと、②(自分が)して返したこと、③迷惑をかけたことの3つの事項を、幼少期から思い返していくのです。

内観の目的は、「こんな自分でも大切に愛されていた。生きていていいんだ」という自己肯定感が湧くこと。もう1つは、「母親との関わり方は、他のすべての人との関わり方に通じる」ことに気づくことなのです。
そして、①と③のなんと多くて②の少ないことよ!と気づき、他者との関わり方に大転換が起きるんです。

さて、あなたの彼の生き方は、酔って絡んだ人にすごんだように、力で脅せば自分よりも弱いものは黙るというやり方の典型で、本性は乱暴かもしれません。今の時点で“さようなら”をして、本当の優しさを持った相手との出会いがあることを祈ります。あなたは彼との出会いのきっかけを、「有名商社の男性」だからと言っていますが、自分自身と他者との関わり方についても、ぜひ一度内観してみてはいかがですか。

合コンに否定的だったあなたに立ち返り、なぜ合コンに否定的だったのか、なぜ合コンに参加することにしたのか、そのあたりに今後のあなたの生き方のヒントが隠れていると思います。

第47回

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