【夫婦編】「なんであなたの方がえらいのよ?!」

【Q】
夫は高校の時の同級生です。友達が恋人に変わってから4年間付き合い、25歳で結婚しました。今、結婚して6年、幼稚園年中の息子がいます。高校の時は、私の方がはるかに優秀、夫の成績は超低空飛行で、しばしば私が助けてなんとか卒業できたって感じです。夫の口癖は「わりーな、わりーな!」(わるいな、わるいな)でした。結婚するまで、ずっと私が関係をリードしてきました。ところが、結婚したとたんに夫の態度が急変したんです。「俺が喰わせてやる」だの「子育てはおまえに任せた」だの、とにかく私を家から出したくない様子。子どもも小さいので、まあそれは仕方ないかなあとは思うんですが、私は何をするにも夫の許可が必要になっちゃってます。「ちょっと実家に行ってきたいんですけどいいですか?」「友達と買い物に出かけてきたいんですけどいいですか?」、何から何までお尻に「いいですか?」が付きます。出かけたときは、帰りが夫より遅くならないよう気をつけているし、はじめから遅くなることがわかっているときは、夕飯の支度をしてから出かけます。いつも夫の顔色をうかがっている状態。「おめえはなあ、あたいよりずっと成績も悪くて、あたいが助けてやったから高校だって卒業できたんだ!いったい今の態度は何だ!ふざけんじゃねえ!」と叫びたい気分です。このまま一生生きていくって考えると、離婚も考えてしまいます。

【A】
離婚を考える前に「ふざけんじゃねえ!」って叫びたい気持ちをそのまま叫んでみてはいかがでしょう。あなたは「いい妻、いい母」を演じて6年間生きてきてしまったので、夫はそれでいいとつけ上がっています。夫とすれば男が「女、子ども」を「喰わせて」「子育てを女に任せる」のが「いい男」の見本だと思っている、そして6年間あなたが何も反論せず「~していいですか?」と夫の顔色をうかがっているので、これでいいとと確信してしまったのです。結婚後急変したのは、あなたが仕事を辞めてからだったでしょう?男はまさに「女を喰わせてやる」立場になったわけです。そして子どもが生まれ、「子どもが小さいうちは」と育児に専念しているあなたを見て、ますます夫は「喰わせてやらねば!」と意気込んだことでしょう。そしてあなたも、家事と育児しかしていない自分に後ろめたさを覚え「~していいですか?」とお伺いを立てるようになってしまった。

先ほど、叫びたいなら叫んでみてくださいと申し上げましたが、本来は6年間の結婚生活の中で、2人で話し合って築き上げてくるはずの関係でした。現在、家事育児も立派な1人分の仕事と認められ、離婚の際には財産は半分ずつということから見ても、あなたははっきり夫のやり方に異議を唱えてください。できれば、お子さんも年中になられたとのことですから、パートに出るとか何か仕事をしてみてください。

そして夫にも家事育児を分担させる。同級生だったときはあなたが助けて引っ張ってきたのに結婚して立場が逆転したのは、現金収入があなたになくなったからでしょう。あなたの夫のように「女を養ってこそ男!」という古い古い概念を持っている男たちは、まだまだたくさんいます。でも、こういう夫婦や恋人の関係は実はけっこう「男はつらいよ」なんです。嫌な仕事でも辞めるわけにもいかず、弱音も吐けず、うつになったり自殺を考えたりしてしまう人もいるくらいですから。私のところに相談に来た女性が、「そういえば“パパはママに~しろとか、~するなとか威張ってるみたいだけど、本当はママが怖いんだって。それからね、ママのこと好きなんだよ、僕と一緒で”って言ってました」と語っていました。男たちは「好きで大事な妻と子どもは家に囲って養うもの」と勘違いをしている、私たち女性が勘違いさせているんです。

どうか、どうか離婚したり、叫んだりする前に、この関係が嫌なことをしっかり夫に伝えてください。社会的に女性が子育てしながら仕事をするのは大変だけれど、夫の協力を得て、ご自分も社会と直接関わる努力をしてください。これは息子さんを古い型の男に育てない次世代への大事な役割でもありますから!

第48回

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