【子親編】「お義父さんは私の料理が好み」

【Q】
結婚して5年。2年ほど前から夫の両親と同居して4人暮らしです。夫の帰りは遅いので、ほぼ毎日、3人で夕食です。同居を始めたころは、お義父さんの好みもわからなかったので、主にお義母さんが作って私は手伝いという感じでした。半年くらいしたころから、徐々に私が中心になって、今ではお義母さんが作ることはほとんどありません。
先日お義母さんから、「あなたの料理は脂っこいし、味も濃い、ご飯も堅い。主人の好みにも合わないし、身体にもよくないわ。私のを見習ってもらわないと」と言われてしまいました。確かにお義母さんのと比べるとその通りだと思うんです。でも、私はお義父さんに好みを聞いて作ってるんです。お義父さんは「あいつの料理は、脂っ気はなくて、味も薄い、ご飯はベタベタだろっ。
病人になったみたいで嫌なんだよ」っておっしゃっていたんです。だから、あえてそうしているのに、お義母さんは私に、「あなたは主人の好みを知らないでしょ。私の言った通りに作ってくださいね」っておっしゃるんです。お義父さんの好みに合わせて作ってあげたいんですけど、このままだとお義母さんとの関係がこじれそうです。

【A】
あなたはこの問題を「お義父様の“食事”を巡るお義母様との食い違い」ととらえていらっしゃるようですが、“食事”は単にきっかけであり、真の問題点の象徴的な出来事であると考えてください。あなたが“お義父さんの好みに合わせて作ってあげたい”けれど、“このままだとお義母さんとの関係がこじれそう”と感じていらっしゃるのはドンピシャだと思います。
要するに問題は息子の妻であるあなたをとても気に入っているお義父様とそれを敏感に察知したお義母様の嫉妬なのです。

とりあえず当面の摩擦を回避するために、お義父様のおっしゃる「脂っ気のない、味の薄い、ベタベタご飯」を作ってください。2年間同居していて、お義母様が最近こういうことを言い出したということは、食事以外のこと、たとえばお義父様のお風呂の支度や寝室のお掃除、外出時のお世話などでもいろいろ気に障ることが起きてきているはず。食事のことが最もよく見えるし、嫁であるあなたに文句を言っても差し障りがなく、その上「夫の健康を気遣っている妻」の立場として堂々と言えたのでしょう。

お義父様の好みを聞いて作るのは、全部でなく一品くらいにとどめておきましょう。お義父様には「私もお義父さんの健康を気遣っているお義母さんに教わって」といいわけをおっしゃってくだされば、あなたのことを気に入っているお義父様は「そうかい、それはありがとう!」とおっしゃるはず。それよりは、特別ご事情があるのでなければ結婚5年ということですから、お子さんをもうけられてはいかがですか?
そうすれば、間違いなくお義母様の意識はお孫さんに向き、お義父様のことなんかどうでもよくなり「私は孫の世話をするから、お父さんの食事はあなたに任せるわ」と必ず言うようになります。

私がお義父様の食事のこと以上に大事な問題と思うのは、あなたと夫の関係性です。帰りも遅く夕食も3人でとのこと。まるであなたはお義父様とお義母様と養子縁組でもしたかのよう。どうか夫との共有の時間を作るように話し合いをして、夫婦としての単位を大切にする努力をしてください。お子さんができない事情がおありなら、それを解消する方向を考えるとか、自分の持ち味を活かす仕事なり生き方成りを探すよう心がけましょう!

第50回

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