男って何?女って何?【親子編】男の子は男の子らしく育ってほしい

Q.小学4年生の娘と小学2年生の息子がいます。女の子は女の子らしく、男の子は男の子らしくと思って育ててきました。姉の方は、女の子らしい優しい子に育っていると思いますが、弟の方は泣いてばかり。つまらないことですぐめそめそします。姉弟げんかで最後に泣くのはいつも弟。姉とは2歳違うので仕方がないとは思いますが、小学校に上がってからほとんど泣いたことのない姉に比べ、弟は男のくせに芯もなくひ弱。「男の子でしょ!めそめそしてるんじゃありません!」と叱っても、いっこうにしっかりする気配もなし。いかにも「弱虫」です。男の子は男の子らしく育ってほしいのですが…。夫が怒るなり、手本を示すなりしてくれればいいのですが、夫は何も言いません。    

A.「男らしい」「女らしい」とよく言いますが、この言葉とても難しいですよね。「男らしい」というのは凛として判断力があり、多少のことではめそめそ泣いたり騒いだりせず芯があって強いということだし、「女らしい」というのは、つまらないことでいじいじして弱いけれど、細やかで優しいイメージです。

この男性と女性の性分化は、遺伝的には性染色体の組み合わせがXYだったら男性、XXだったら女性ということで決定します。Y染色体が指令を出して精巣を作り、男性ホルモンを分泌したり、雄型の外性器を作っていきます。
この仕組みはとても複雑で、最近では分化の途中、ホルモンが胎児にどのくらいの量、どのように働くかによっても生まれてくる赤ちゃんの男らしさ、女らしさが微妙に変化するといわれており、遺伝子的にも、子ども一人ひとりに表れる男らしさや女らしさは千差万別ということがわかってきたそうです。その上、遺伝だけでなく生まれた後の環境も大きな影響を与えます。

あなたのお子さんのように、上にしっかりしたお姉さんがいると下の男の子は、安心して痛さや辛さを素直に表現する子になります。しかもお話の様子からこの子のお父さんはいわゆる「男っぽい」男性ではなく、穏やかで優しいタイプの方、逆にお母さんがきりっとして芯のある方なのでは?昔、女性は妊娠し、子育てをしている期間、男性に狩りをして獲物を運んでもらわなくてはならず、女性と男性の違いは「優しさ」と「強さ」だという時代もあったのでしょうが、その後の人類の歴史の中で、その役割が極端に作られ、「強くなければ男じゃない」「優しくなければ女じゃない」という偏見を生んでしまいました。文明や文化が発達した現在、強くたくましい女の子、感情が豊かで繊細な男の子も特別な存在ではなくなりました。現在では、ご存じの通り、LGBTQ、性的マイノリティの人も認めようというのが世界の潮流となりつつあります。


 お話から、息子さんは様々なこと感じ、それを素直に表現する繊細で優しいお子さんであるということが伝わってきます。男の子だってちゃんと泣けるってとても大事なことですよ。今の状況を「その子らしさ」と受け止め、叱るのではなく待ってあげてください。4、5年生になるとしっかりと個性を持った「その子らしい男の子」になるはずです。

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