男と女のQ&A【親子編】「中学2年生の娘のボーイフレンドは高校生…」

【Q】
先日、中学2年生の娘の友達が2人やって来ました。
最初はおとなしかったんですけれど、しばらくすると娘の部屋からキャーキャー楽しそうな声が聞こえてきました。お茶でも入れてやろうと、紅茶とクッキーを持って娘の部屋に行きました。
何がそんなに楽しいのかという興味もあったんです。
部屋に入るとどうやら娘のボーイフレンドに出すラブレターを3人で考えているようでした。
そのときは、私にもそんなときがあったなあとほほえましい気持ちで、あまり気にもとめなかったんですが、その後娘と話をしてみたら、どうやら相手の男の子は中学の先輩で高校生らしいんです。
3人でラブレターを考えるようだから、ちょっとした遊びだろうとも思うんですが、逆に友達と騒いでいる勢いで何かあったら大変と心配になってきました。
 
【A】
「友達と騒いでいる勢いで何かあったら大変」とおっしゃって心配している「何か」って何でしょうか?
中学2年生の娘さんがキャーキャー騒いでいる勢いで起こす「何か」ってどんなことを想像して心配しているのでしょう。ラブレターを3人で考えているところまでは「私にもそんなときがあったなあとほほえましく」見ていたわけですから、あなたの心配はその後娘さんと話して判断した娘さんのボーイフレンドが「高校生」だったということに原因があるようですね。
 
娘さんの中学の先輩ということですから、娘さんが中学に入学した時3年生で、今は高校1年生ということですよね。確かに娘さんより2歳年上の少年がボーイフレンドでキャーキャー騒いで何か?と考えると、あなたの想像は娘さんが2人に背中を押されてその男の子の腕の中へ飛び込んでいき、彼とキスをして、そこが彼の部屋だったら、そのまま彼に抱かれてそして、そして…と空想の翼は羽を広げ、性の関係を持ち、その結果として妊娠したら…、そしたらどうしよう…となっていませんか?
 
確かにあなたが考えるような結果になって相談にいらっしゃった方も私の高校教師と心理カウンセラー人生50年のうちにはゼロではありませんでした。
しかし、あなたの娘さんは友達3人と騒いでラブレターの文面を考えている段階ですから、母親のあなたが一足飛びに性の関係、そして望まない妊娠と考えて心配するのは取り越し苦労というか、健全な心と体の発達段階を経て成長しつつあるお子さんの発達に水を差すことになります。
正常な心の発達という視点から言うと小学5、6年生くらいから中学生の年齢、すなわち子どもたちが女の子には初潮が、男の子には精通が始まる頃、同性の友達ととても親密に仲良くなることで、次に異性の友達と親密になる練習をします。この時代を発達心理学では「同性愛期」と呼んだりします。
この段階を経て子どもたちは次の段階、すなわち異性と仲良くなり、違和感や罪悪感を抱くことなく異性と良い人間関係、そして性関係へと発展していくことが出来ます(この時期は「性器期」という呼び名がついています。)
 
ですから、お子さんはとても正常で健全な発達段階を経験していますので、むしろ安心してお子さんの様子を見守ってあげてください。変にお子さんの言動を反対したりからかったりすると、大人が想像する早すぎる性関係を助長してしまうこともあります。
お子さんの成長に変な心配をするより、家庭ではご夫婦の関係を見直して、より質の高い男女の愛の見本になれるよう努力することにエネルギーを注いだり、ちまたに氾濫している誤った愛や性の情報ではない性愛の教育をされる時期だと心得てください。
第64回

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