【Q】
彼とはSNSを通じて知り合いました。
SNS上で私の友達の友達だった彼のアップする写真がいつもモダンで、私から「友達リクエスト」を送って承認してもらいました。
それがきっかけで、彼と直接メッセージの交換をするようになったんですけど、写真だけじゃない彼のセンスの良さがますます伝わってきて、会いたいと思うようになり、また私から誘って会いました。初めて見た生の彼は、チョーGood!。ところが、一緒にいるととても無口で、いつもの彼らしくありません。
そのうち、スマホをいじる時間が増えてきて、気まずくなっちゃって2時間ほどで別れました。
その後もSNSでやり取りするといつもの彼なんです。そんな彼にまた会いたくなって…。
そんなことを何度か繰り返してます。SNSでやり取りしている時の彼ほど魅力的な人はそうはいないと思うので、そんな彼とお付き合いしていたいんですけど、実際に会うと別人のようで…。
でも、絶対、SNSの彼が彼だと思うんです。
【A】
まず、大きな前提をお話ししましょう。
あなたは、SNS上の彼を本当の彼と考えて、会うことにしたんですよね。
あなたは、SNSに自分自身を表現するタイプの人なんでしょう。
でも、よく考えてください。SNSをネット上の画像付き日記(昔風に言うと絵日記でしょうか?)として利用すれば、それはありのままの自分を表現するものになりますが“広告”として利用すれば、本当の自分ではなく、現実よりもはるかによく見える仮想の自分を表現(アピール)するものにもなります。おそらく、彼は後者であったんでしょう。そういう前提で、考えてみましょう。
そう考えると、おとぎ話の王子様はおとぎ話の国でしか王子様じゃないんです。現実の世界に王子様を引っ張り出したらそこでは王子様は生きてはいけません。
「一緒にいるととても無口で、いつもの彼らしくありません」とおっしゃっていますが、あなたの言う「いつもの」とはSNS上で彼が表現したバーチャル=仮想の国な彼が「いつもの」ですよね。
「でも実際に会うと“別人”のようで」と戸惑っているのですが、結論から言えば、バーチャルの世界ではあなたが憧れたようにモダンでセンスのいい写真とメッセージがアップ出来る彼、リアル=現実の世界では無口でスマホをいじる時間が多い彼、あなたにとっては別人のような彼も含めて「彼」なんです。
どちらかと言えば、あなたが「絶対」に本当の彼だと思っているSNS上の彼が“こうありたい”と考えた仮想の自分、現実ではあり得ないけれど、バーチャルな世界で作り出した理想の自分なんです。もっとはっきり言ってしまえば、想像上で作り出された嘘の自分のです。
でも、そういう自分を創り出せる彼、嘘でも「こうありたい」という自分をSNS上で創り出せる彼もまさしく彼。もっと現実に言えば、それは彼の一部でしかないのです。そういう創作力、想像力を持っているのが彼なんです。
でも、SNS上で魅力的な彼を作り出し、あなたのように憧れて会いに来る人がたくさんいるように自分を演出するには時間も労力もかかるので、あなたと会っていてもスマホをいじらざるを得ません。あなたが「魅力的」と思った彼は、彼自身が苦心の結果作り上げた演出しているおとぎ話の中での王子様の自分ですから。
「その彼」がよければ実際に会ったりしてはいけません。魔法は、現実の正解では解けてしまいます。
もしあなたが彼と現実に会ったり、日常を共にすれば、それがリアルな彼そのもの。内面には優れた創造力と創造力を持ってはいますが、それが表現出来るのは、実際に会っている時ではなく、FaceBookの中だけという現実をしっかり認識して今後の付き合い方を選択してください。
インターネットは大変便利で世界中の人をつなぐことが出来ますが、あなたと彼との今後の関係の発展を考えた時、コミュニケーションの本質は顔と顔、目と目を合わせてのふれ合いであること考えてお付き合いしてください。
※「バーチャル」は「事実上の、実質上の」という意味ですが、ここでは「仮想」という意味で使っています。
第67回