男と女のQ&A【夫婦編】「私はおまえの道具か!」

【Q】
先に結婚した友達に言われたんです。
「男って結婚したとたんに態度変えるよぉ。例外はないと思う。あんたも気をつけた方がいいよ」。
“何言ってんだろっ!?”と思えていたのは、結婚する前まででした。
私の彼はいつも私に気を遣ってくれるし、多少のことには動じない。しかもいちゃいちゃしたい時にはいちゃいちゃしてくれるし、結婚後のことなんて心配したことありませんでした。
なのに、彼女の言うことが理解出来るまでに1ヶ月もかかりませんでした。
結婚する前は、私の家に来ると掃除機をかけてくれたり、料理をしてくれたり…。
結婚してすぐのころは、すっと一緒にいられる嬉しさから、なんとなくいちゃいちゃ過ごしてたんですけれど、徐々に普通の生活になってくると、彼は何にもしなくなったんです。
「ちょっと掃除機かけて」とか「洗い物して」って頼んでも、「なんで俺?おまえ主婦だろっ?!」って言うんです。私だって働いていて専業主婦じゃないんだから、家事は平等に負担してくれないと…。
結婚前と同じ人とは思えません。私はおまえの道具じゃなーい!
 
【A】
そうなんですねえ。
今でもまだ結婚相手の女性を一家の労働力と子孫繁栄の道具として売り買いするような風習が残っている民族もあるようで、結婚相手の女性の親に牛何頭贈るというようなことや日本の結納金などもその名残とも言われています。あなたもあたかも牛何頭分かと引き替えに労働力として貰われてきたような感じなのですね。
 
当然のことながら、結婚の目的が無意識にしても労働力の確保であるとすれば、その雇い主である彼は「ここは働きやすいよ~、いらっしゃ~い!」と甘い言葉と好待遇であるかのような宣伝文句であなたを誘い込んだことでしょう。そして一旦雇用契約が結ばれてしまえば雇い主の思うつぼ。
昔から「釣った魚には餌をやらない」と言ったではありませんか。どこかのブラック企業みたいに使い放題。友達が「男は態度変えるよぉ」「例外ないと思う」と言ったのが1ヶ月で理解出来たというのはあまりにも早い変化ですが、良くある話ではあります。このままこの路線で行くと、まもなく妊娠、出産、子育ての道具としての働きがあなたに要求されるのは、火を見るより明らかです。
一刻も早く「私はおまえの道具じゃない!」と声を上げる必要がありますが、ちょっと待って!
 
あなたは、結婚前と結婚後で何も変わりませんでしたか?
ご相談の中に「ちょっと掃除機かけて」とか、「洗い物して」とか、結婚後頼むようになっている場面がありますよね。たぶん、結婚前のあなたはかいがいしく「あなたは座ってて!私がやるから」と言って掃除をしたり料理を作っていたんじゃありませんか?
雇う側も雇われる側も必死の売り込み作戦をするのは世の常。
 
今のあなたは専業主婦ではないとはいえ、出産子育ての道具、いえいえ、子育てともなれば夫の経済力に頼ることになるのが多くの女性のたどる道であるとするならば、男たちは今から「おまえ、主婦だろっ?!」と先制攻撃を仕掛けるというわけです。
「男は例外なく女を自分の思うままに動く道具化する」と友達が言うごとく、大昔から生命を宿して母乳を与えて子どもを育てる女性は、どうしてもある時期、男性の援助によってその一大事業を行う必要があり、その代償のように男たちは女性に労働を強いる傾向がありました。それでも生命をはぐくむという大プロジェクトは男には不可能な仕事でありますから、お互いそれぞれの役割を大切に認め合い、道具化することなく支え合って生きて行ってください。
 
女と男の関係性はその時期その時期によって変化するものです。いつまでもいちゃいちゃするだけの関係ではなく、あなた自身も結婚に何を求めるのか、二人で何を作り出すのかよく考え、話し合うようにしましょう。ちなみに「例外」の男性もたくさんいると思いますよ。
第68回

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