男と女のQ&A【夫婦編】「夫は絶対女なんです!」

【Q】
一年くらい前だったと思うんですけど、友達2人と食事に行ったんです。もちろん女友達ですよ。
10時過ぎには帰るつもりがつい遅くなっちゃって、家に着いた時には0時を回ってました。
そのときは「遅かったなあ」だけですんだんですけど、あとが大変。
私が出かけようとする度に「誰とどこへ行くんだ?」「何時に帰る?」としつこく聞くようになりました。
私も毎回聞かれることにだんだん腹が立ってきて、同じことをしてやることにして、夫が出かけるときには「誰とどこへ行くの?」とか「帰りは何時?」って聞いてやることにしたんです。
そしたら夫は、「おまえはうるさいんだよ。俺をそんなに信用できないのか?夫婦なのにそんなに信用できないなら別れよう!」って言うんです。その言葉、そのまま返してやりたいです。
でも、私は女友達と食事をしてだけなのに、夫は絶対女なんです。そんなの許せますか?
私は別れる気はありません!
 
【A】
カウンセリングで問題をなるべく短期間に解決するときの技法にブリーフセラピーという理論があり、それは「解決志向的」「未来志向的」と言われています。
従来の心理療法はいつ頃から何故その問題が起こったのか、過去にさかのぼることによって解明しようとしていました。
 
それに対して、このブリーフセラピーは「そんなことはいくら考えても過去のことなので本当のことはわからないし、わかったとしてもどうにもならない」と考えます。そしてクライエントが「どうなりたいのか」「どうなればいいのか」という解決や未来に焦点を当てます。この理論の基本的なルールは次の3つです。
(1)うまくいっていることは、それを変えようとするな。
(2)もし一度うまくいったのなら、またそれを行え。
(3)もしうまくいってないのなら、今やっていることはやめて違うことをせよ。
今、あなたの「どうなりたいか」「どうなればいいか」はハッキリしていますね。1つは「離婚はしたくない」でも「夫が黙って女?と出かけるのは許せない」(「私は同性と行くのだからうるさく聞かないでほしい」)ということですね。これをブリーフセラピーの3つの基本に当てはめてみましょう。
(1)うまくいっていることは変えるな、ということからすると1年前までは0時をまわることはなかった。その頃は夫のしつこい質問もなく、あなたのしっぺ返しのような腹立ちまぎれの質問もなかった。
(2)は今のところなし
(3)この(3)があなたの場合、問題を大きくしていますね。夫に敵討ちのように「誰とどこへ行くの?」「帰りは何時?」と聞くことによって夫の怒りを買い「俺を信用できないなら別れよう」と言わせてしまいます。
このやり方はすぐにやめましょう。そして違うことをしてください。
「別れたくない」のなら、今は夫を信用していなくても、夫が出かけるたびに「誰とどこ?」「帰りは?」という質問をするのをとにかくやめる。悔しくてもです。
夫を信用していなくても悔しい、苦しいと思っても「別れたくない」の一心でただ黙って「行ってらっしゃい」と言ってみてください。4~5回で結構です。
 
そのうち、「今日は~と飲んでくる。帰りは~時頃。」と言うようになり、その回数も減り、あなたを誘うようになること間違いなしです。勿論あなたが出かける時は「~さんと~で食事してくる。
おそくても~時ころには帰る」と伝えてくださいね。
第78回

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