男と女のQ&A【親子編】「娘がメイド喫茶のメイド?!」

【Q】
高校2年生の娘がいます。
以前は、「洋服買うから」とか「携帯代」とか言ってお金をせびられることがよくあったんですが、最近あまりお金をせびられることがなくなりました。「お金足りてるの?」と聞くと、「アルバイトのお金で何とかなってる」というので、ファミレスのアルバイトで何とかなってるもんだとばかり思っていたんです。
ところが先日、娘の部屋の掃除をしていたら、本の間に挟んであった写真が落ちたので拾ってみると、メイド服を着た娘が写っていたのでびっくりしました。
どうやら、知らないうちにメイド喫茶で働いているらしいんです。たぶん時給もかなりいいですよね。
娘の生活を見ていると、使うお金を切り詰めるのはかなり難しそうなので、このままだとずっとメイド喫茶で働くことになりそうな気がします。犯罪に巻き込まれる可能性も高くなるし、このあと風俗店にでも勤め始めたら大変なので怒りたいんですけど、怒って「家出でもしてしまったら」と思うと怒ることも出来ずに困っています。
 
【A】
あなたの心配はアルバイト先が「ファミレス」でなくて「メイド喫茶」だったということのようですが、時給のいい「メイド喫茶」で働く大もとの原因が問題です。
問題の一番大きなものは「使うお金を切り詰めるのはかなり難しそう」と親のあなたがあきらめている点です。「使うお金」即ち消費することに喜びを求める高校2年生を育ててしまったということに問題の焦点を当てて考えてみてください。今回の相談の中でも「お金足りてるの?」と娘さんに尋ねていることからいつも娘さんの言うままに足りるだけお金を上げてきたようですね。
「洋服代から携帯代までお金をせびられることがよくあった」とあなたが言っている通りに。
 
「消費すること」に興味を持つ生活は、消費のためにお金が必要になるわけですから、親にせびる面倒がない稼ぎ方を見つけたのでしょう。時給のよさでいえばファミレスやコンビニのバイトより何倍も高いメイド喫茶という場所は、彼女が行き着く当然の稼ぎ場所だったわけです。この時点で消費行動が止まらなければ、あなたも心配しているようにもっと稼ぎのいいキャバクラや性を売り物にするアルバイトに向かうことになります。
 
もう1つの問題点は「怒って家出でもしてしまったらと思って怒ることも出来ずに」いる親の姿勢です。確かにキャバクラには住み込みのための寮が完備している所もあるので家出もできると思います。だから、今は見て見ぬふりをして困っているわけですよね。
さて、この2つの問題を解決するにはどうしたらいいか…。
まずは「怒る」のではなく、「話」をしてください。
そして17年間で身についてしまった「消費ぐせ」を少しずつでも方向を変えて「創造する、つくり出す喜び」を感じてくれるよう親子で努力してください。何かを買うことで感じる喜びははかないもの、ゼロから工夫して作り出すことの充実感を小さなことからでも始めてみてください。
そして親のあなたも、何かを買い与えることでこの子を育ててきてしまっていないか反省してみましょう。
今までのことはすんでしまったことですが、今からでも間に合います。
もう1つは「労働」の喜びについてですが、別に額に汗して働くファミレスのアルバイトがいいということではないのですが、「性」を売り物にすることの危険性や労働としての質についても話し合ってみてください。
第79回

ページ上部へ