男と女のQ&A【子親編】「義姉さんがいるのに、何でも娘の私?!」

【Q】
84歳の父と80歳の母がいます。54歳の兄は30歳の時に結婚して、義姉と子ども2人の4人で5年前から実家に同居することになりました。
私は夫と子ども2人で、実家から車で1時間ほどのところに住んでいます。先日、父が体調を崩し入院騒ぎになりました。結局入院せず自宅で療養することになったのですが、体調を崩して3日目に「ちょっとこっちに来てお父さんの面倒を見てよ」と母から連絡がありました。「お義姉さんがいるでしょ?!」と言ったら「よくやってはくれているけど、嫁は嫁だから…」と言われてしまい、結局私が毎日実家に通うことに。両親の面倒を見るということで兄が実家で同居することになったのに何で私?別に、実家の財産と引き替えに兄が両親の面倒を見ることになったというわけでもないけれど、これじゃあなんで兄が同居することになったんだか…。私は苦労を背負い込むだけですか?
 
【A】
昔から「いつまでもあると思うな親と金 ないと思うな運と災難」という言われますが、あなたにはこの意味本当にはまだ分からないでしょうねえ…。お母さんも嫁の悪口を言うわけではなく「よくやってはくれているけれど、嫁は嫁だから…」と言ってくれている。毎日実家に通うことになった「私」に兄や兄嫁が感謝こそすれ「財産狙い?」と言う態度で見ているわけでもなさそう。
その上あなたの夫が「俺と子どもの面倒は?」とか「メシは?」という風でもなさそうですね。要するに、あなたはかなり恵まれた状況で「いつまでもあるわけではない親」の面倒を見てあげられることになったというわけです。
「これじゃあなんで兄が同居することになったんだか」わからないとか「私は苦労を背負い込むだけ?」とか、なんともったいないことを言っているんだか!
 
確かに「両親の面倒を見るということで兄が実家に同居することになった」といういきさつはあり、現に兄夫婦が同居してくれています。兄さんの家族とあなたの両親はこの5年間ほぼ何のトラブルもなく同居してきたわけです。兄さんはともかく、義姉さんとの関係もお母さんの「よくやってはくれているけれど」という言葉に表れていて、文句を付けるほどのことではない。でも80代半ばの父親が自宅で療養することになったのをきっかけに父はもちろん、母も、むしろ母が娘の顔が見たい、娘に甘えたいと思ったんじゃないですか?
 
車で1時間のところまで毎日通うというのも今まで何もしてなかった(?)あなたにとっては大変な負担かもしれません。そこはお義姉さんともよく相談して1日おきとか3日に1回とか、お母さんに納得してもらうとかしてはどうですか?
 
結局、なんだかんだと実労働は同居の義姉さんがやっているわけですから、あなたは「いい娘」として最後に親孝行できるチャンスを与えてもらっていると考えてください。米国のアルバート・エリスは1955年頃に「出来事によって人は悩むのではなく、出来事の受け取り方によって悩み落ち込むものだ」と考え、その考え方、認知の仕方を変えれば人は幸せになれるとして「認知行動療法」の1つである「論理療法」を提唱しました。この機会を「私が苦労を背負い込む」と自動的に考える(これを自動思考といいます)のではなく、親孝行のチャンス、私を必要としている人がいる、私の出番!と考えてみてください。
そしてもう1つ。親の面倒を見る=義姉、「女の仕事」と考えるのもあなたの「自動思考」ですよ。
第100回

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