男と女のQ&A【恋愛編】「そんなに簡単によりを戻せるか!」

【Q】
半年ほど前、2年お付き合いをした彼と別れました。もうちょっとで結婚って思ってたんですけど、ぎくしゃくしちゃって…。二股かけてたんじゃないかと思うんです。だって、急に冷たくなったというか、さめた感じになったから。しかも別れて1月もしないうちに、友達に「彼と別れたの?知らない女の人と歩いてたよ」って言われたし…。
そんな彼と先週偶然会ったんです。彼が先に気づいて「元気にしてる?」って声をかけてきて、「お茶する?」って。つい誘いに乗っちゃってお茶してたら、彼が「より戻そうよ」って言うんです。「彼女いるんでしょ?友達が見たって」と言ったら、「それただの友達。彼女って言えるのはおまえだけだもん」って。
そう言われて嬉しい気持ちもあったんですけど、彼って誰にでもそういうこと言う人だから「そんなに簡単によりを戻せるか!」って断ったんですけど…。ほんとは迷ってるんです。
 
【A】
「ほんとは迷ってる」のなら、とりあえずよりを戻してみたらいかがでしょうか?
まだ彼に未練があるのに意地で断ってしまったままでこの恋愛を終わらせてしまうと、そのことがずーっと心の中でわだかまってしこりになり、次の新しい恋愛に進む障害になることがあります。
 
アメリカの精神医学者パールズ(1893~1970)は、これを「未完の行為」と呼んでいます。「あの時こうすればよかった、ああすればよかった」と後悔する気持ちが心のフィルターに目詰まりを起こしてしまい、真っ直ぐな判断が出来なくなってしまうと言うのです。そしてそのフィルターの目詰まりを処理する技法を工夫し提唱しています。
パールズは、過去の経験の分析ではなく、全体を見て「今、ここ」における体験を重視し、現在の自分の気持ちの統合を目指しました。これは彼自身、恋愛中に神経症になり、精神分析医の分析を受けた体験が基になっていると言われています。
パールズの提唱したセラピーは「ゲシュタルト療法(全体像を見るというような意味)」と言います。したくても出来なかったこと、言いたくても言えなかったことがいつまでも心に残り、「未完の行為」になります。甘えたいのに甘えられない幼少期を過ごした人が、いつまでも悲しい思いを秘めていて、なかなか幸せな気持ちで人生を生きられなくなった、そんな時に効果のある療法です。
 
「よりを戻す」にあたって、いくつか自分の胸に聞いてみましょうか?
「そんなに簡単によりを戻せるか!」と一度断った私に、「じゃあ、あなた、簡単じゃなければより戻すわけね?」「簡単じゃないって、どうやってクリアすればいいの?」…、
この自分の質問に「決まってるわよ!彼が土下座して、どんな女より君が素晴らしい!君が素敵!君を愛してる!」「君との別れは、僕が悪かった。魔が差した、気の迷いだったんだ…」等々、私の言ってもらいたいことを彼に言ってもらえれば気がすむ?別れて1月もしないうちに 一緒に歩いてた女。「また同じことするの?」「絶対ない、ない。君以外の女に興味ない」とでも言ってもらえばいい?
きっとそれくらいで気がすむかもしれません。でも、実際は別れたあなたに「より戻そうよ」と軽々しく言える彼。そんな「生き方のくせ」はそう簡単には直りません。
それでも、それを覚悟でそのままの彼を愛せたら、そう、あなたが変われたら、きっと彼も今度は彼の「生き方のくせ」を直すことでしょう。
第102回

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