男と女のQ&A【職場編】「枕営業してるって噂を立てられちゃって」

【Q】
就職して3年になります。総合職だと最終的にはお茶くみにされるなんていう時代遅れな話も聞いたので、営業を希望して、希望通り営業に配属されました。
営業で人脈を広げて、ある程度実績を積んだら、将来独立起業なんていう夢も持っているんです。営業の女性社員でそんな風に考えているのは私くらいかなあ?
みんなの話を聞くと、人脈を広げるっていうところはまでは一緒なんですけど、結局結婚相手探しっていうことみたいなんですよ。そんな程度だから、結果がついてくるわけないですよね。
そんなわけで、私の成績だけが目立ってるんです。もちろん私なりの努力の成果なのに、誰かに「枕営業してる」って噂を立てられちゃって、上司には呼ばれるし、みんなの目が気になって会社に出られなくなりそうです。
 
【A】
ひどいですねえ、あなたの勤めている会社。同僚があなたの好成績をねたんでなんやかや噂をするのはまあ仕方ないとして、上司に呼ばれたんですね?!これはもちろん、褒められたりかばわれたりしたのではなく「事の真偽を確かめる」ためみたいなことで呼ばれたんですよね。
もうこんな会社、セクハラとパワハラで訴えてやりましょう!
そして、それ相応の慰謝料をもらってやめましょう!
あなたのようにやる気もある女性は、きっともっとまともな会社で大切にされますよ。だいたい「枕営業」などという下品な言葉であなたの目立っている営業成績を非難するなど、もっての外です。
芸能界の「枕営業」が、度々週刊誌やネットで話題になりますが、「枕営業」とは、いつでも相手と寝られるように枕を持ち歩いているかのように仕事上の人間関係で性交渉を行うことを条件に利益を生み出す営業スタイルのことを言います。言葉自体も下卑ていますが、その心根がいやらしい!
あなたの一生懸命さを“あいつ、すぐやらせるんだって”みたいに噂している男たちや女がいる会社なんて、今ごろもう時代遅れ。会社全体が社会から取り残され、つぶれてしまうでしょうよ。そうなる前に、もっと前向きなあなたをきちんと評価してくれる会社を探しましょう。
根本的には、女は結婚して子を産み、家事育児に励み、夫を立て貞淑に尽くす、この思想、男女の役割を押しつけるジェンダーの考え方が問題なんです。
政府は「女性の輝く国にしよう」とかけ声をかけていますが、2002年に38,000件だったDVの相談件数は、2013年には10万件を超えています(内閣府)。しかも、検挙件数は2000件止まりです。民間シェルターのまとめ役をしている近藤恵子さんによると、DV被害の経験のある人女性は3人に1人で、20人に1人は殺されそうな目に遭い、3日に1人は実際に殺されているとのことです。
こういう土壌の中からあなたのようにやる気で頑張っている女性を「枕営業」と噂し、上司までがそれをかばうどころかあたかも真実のように真偽の確認をする。そんな状況が生まれているのです。
悔しいし、悲しいでしょうが、周りにいる信頼できる友人、知人、または専門家に力になってもらってあなたのような方が高い評価を得て本当に輝いていられる社会を作りましょう。
そのためには私も応援していきます。
第111回

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