男と女のQ&A【子親編】「80歳を超えた義父が結婚?!」

【Q】
一昨年義母が亡くなり、義父1人になったので、1年ほど前、義父に同居を勧め、現在夫と3人で暮らしています。
義父は義母に先立たれるとは夢にも思っていなかったようで、義母が亡くなってしばらくは放心状態でした。家もさほど遠くないので、ほぼ毎日私が義父の所に通って面倒を見てきました。義父も80歳を超え、引っ越すことには抵抗があったようなので、私が疲れてしまい、義母の一周忌を期にやや強引にではありますけれど、義父に同居してもらいました。
 
義父はまだまだ元気で、昼間は写真や盆栽の講座に通ったり、写真を撮りに出かけたりしています。そんな義父に好きな人ができたらしいんです。私も何度かお会いしたことがあって、最初はほほえましく見ていたんですが、先日、その女性と義父の元の家で生活することにしたからって言われたんです。しかも籍を入れるって言うんです。
相手の女性は20歳以上も年下で、私たちと同世代。50代の女性が80代の男性と結婚なんて考えられませんよね。ちょっと優しくされただけでその気になっちゃう義父の目を覚まさせたいのですが…。
 
【A】
「義父の目を覚まさせたい」って、なぜそんなことをしようとするんですか?!80代の男性が50代の女性と引かれあって結婚するって素晴らしいじゃありませんか。あなたはこんなお義父様がみっともないと思うような人なんですか?
 
その50代の女性が「後妻業の女」とでも?義父亡き後の財産目当てとでも思うんですか?仮にその女性がそうだとしてもお義父様が50代の女性と籍を入れて結婚し、1日でも幸せだなあと思ってくれて亡くなられたら、お義父様の遺産がたとえ何億円かあったとしてその半分をその女性に差し上げても惜しくはないでしょう。もし、そのことが悔しかったり、心配であったりしての反対なら、あなたも後妻業の女と変わらぬさもしい心の持ち主ということになってしまいます。
あなたが通ったり引き取ったりしてお義父様の面倒を見てきたのは何のためだったのでしょう。もしかして、世間体や財産のことでないのなら、やきもちですか?何度か会ったときは「ほほえましく見ていた」のに二人が本気で生活を共にし、籍まで入れるとなって、義父の本気度に嫉妬しているのでしょうか?
自分と同世代の50代なのが気に入らない?
いずれの理由にしても、息子の妻のあなたが反対することではありません。お義父様はお義母様亡き後、しばらくは放心状態、そのうち写真や盆栽の講座に通いまだまだお元気とのこと。あなたは80代の男性と20歳以上も年下の50代の女性が恋愛して結婚するなんて考えられないと言っていますが、68歳で45歳年下で23歳の女性と結婚した加藤茶さんや56歳で32歳年下で24歳の女性と再婚したラサール石井さんなど、芸能界ではよくあることですよね。芸能人なら認められて、80年間ごく普通に生きてきたお父様には反対するって変ですよね。
 
ちなみに江戸時代の有名な俳人小林一茶は、24歳年下の菊という女性と結婚しています。「やせがえる 負けるな一茶 ここにあり」「雀の子 そこのけそこのけ おんまが通る」「我と来て 遊べや親のない雀」など、どれも弱いものの味方の優しさにあふれた句です。この一茶を支えたのが24歳年下の菊でした。一茶は、50代、60代で三男一女をもうけますが、菊にも子どもたちにも先立たれ、その後62歳で雪と再婚。雪と離婚の後、64歳でおとと3度目の結婚をしますが1年あまりでやおに看取られ65歳の生涯を閉じています。一茶が亡くなったとき、やおは一茶の子どもを宿しており、一茶の血脈を校正に伝えていると言われています。
 
人生50年と言われた時代にもこうした恋や性を謳歌している男性もいます。女性の晩婚化、未婚化が叫ばれる中、父親くらいの年齢に魅力を感じる風潮もあり、お義父様の再婚をぜひ応援してあげてほしいと同時に、あなた自身の結婚観や人生観、価値観をしっかりと見直してほしいと思います。
第115回

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