男と女のQ&A【夫婦編】「夫に隠し子?」

【Q】
夫宛に差出人のない封書が届きました。夫を疑ったということではなく、差出人名がなかったのであまり気にもせず開けたんです。するとそこには「娘が結婚することになったので、一度会ってやってほしい」と書いてありました。文面からその娘というのが夫の子であることは明らか。年齢からすると、私と結婚したのとほぼ同時期に生まれたらしいのです。結婚前にそんなに親しくお付き合いしていた人がいるなんて聞いたこともないし、私とも5年間お付き合いをして結婚したので、手紙に書いてあるのが本当なら、夫は二股をかけていたことになります。しかも、子どもがいたなんていうことになったらまさに隠し子。相続にも影響してきますから、意を決して夫に手紙を見せて、問いただしたんです。夫は肯定するでもなく否定するでもなく、そんなの知らないの一点張り。手紙を見て「なんだこれは」と言って、私の目の前で手紙を丸めて捨ててしまいました。それから1ヶ月。その後は何もありません。でも、夫の様子も何となくぎこちないし、相手の女性がまた何か言ってくるのではないかと毎日不安でたまりません。
 
【A】
差出人のない手紙、しかも内容はあなたがビックリ仰天する話。テレビドラマや映画ならここから物語が幕を開け、過去が暴かれていくことでしょう。しかし当事者である夫本人は「「なんだこれは」と言って私の目の前で手紙を丸めて捨ててしまった」とのこと。「夫は肯定するでもなく否定するでもなく」ではありますが、「そんなの知らないの一点張り」ということなので、少なくとも肯定はしていません。むしろ「そんなの知らない」と言っているわけですから、否定ということになるでしょう。
であるならば、これが過去の真実であろうが、お二人をうらやんで壊そうとしている人の仕業であろうが、追求するのはむずかしいですね。真実であっても、その娘さんに会いに行くか行かないかは「夫」の心一つだし、娘さんが本当に会いたがっているかも不明です。差出人もないということなら認知はしてないでしょう。
相続のことを心配していらっしゃいますが、認知していないのであれば相続権はありません。もし認知されているということになれば、相続権は存在します。
認知されていない場合でも、その娘さんが、あなたの夫が実の父親であることの確認の訴えを起こし、DNA鑑定まで行けば違った展開になるでしょうが、1ヶ月間何の動きもないとすれば、それは杞憂かもしれませんね。夫の様子が何となくぎこちないと思うのは、あなたの思い込みかもしれません。このことが事実か事実でないかはあなたにとって大変大切なことでしょうが、一通の差出人のない手紙を巡って長い夫婦生活が壊れかけていることの方がむしろ問題です。
夫が「知らないの一点張り」なら、なぜ突然こんな手紙が舞い込むのか、心当たりらしいものはないか、夫と二人でこの不審な手紙の謎を探ってみるとか、むしろ、安定した夫婦関係に妻としてあぐらをかいていたかもしれず、このピンチをチャンスに変える知恵を出してみてはいかがでしょうか。夫婦の刺激剤として、緩みかけていた関係に新鮮さを取り戻せるかもしれません。
それでも「知らないの一点張り」で、あなたがこの夫婦関係を崩したくないのなら、不信感を胸に残しながらも、そっとしておくより仕方ないですね。
第133回

ページ上部へ