男と女のQ&A【職場編】「女を利用して何が悪いんですか?!」

【Q】
新卒で採用になり3年目です。後輩もだいぶ出来たことだし、そろそろ婚活を開始しようか、それとも会社でもう少し上を目指そうかと考え出したところです。去年、社内でちょっとだけお付き合いした人がいたんですけど、すぐ女を束縛するタイプだっていうことが分かっちゃって別れました。社内を見渡しても、これっていう人がいなくて、だったらもう少し仕事で上を目指そうかなって…。仕事で頑張っていると、もしかしたら取引先の人とかでいい人が見つけられるかもしれないですよね。
 
少しでも上を目指そうと思うと、やたらと若いことを強調して、露出の多い服で上司に媚びを売ってる後輩が邪魔なんです。でも、色気なら入社したての連中になんて負けないので、出来るだけ胸を強調したり、上司に気に入られそうな香水をつけたりして猛アピールしてます。お陰で、上司からはよく思われるようにはなったんですけど、女の先輩に「あなた、何やってるの!」って怒られたんです。上司からよく思われてない先輩に、なんだかんだ言われたくないし、上司に気に入られてこそ仕事が出来るんだと思うんです。女なんだから、女であることを利用したっていいですよね。後輩に負けたくないので、自分のやり方を変えるつもりはありません。
 
【A】
「日本のジェンダーギャップ指数、過去最低を更新、114位に」という見出しが新聞に出ていたのはまだ記憶に新しいところです。ジェンダーギャップ指数というのは、各国の社会進出における男女格差を示す指数で、経済活動や政治への参画度、教育水準、出生率や健康寿命などから算出され、世界経済フォーラム(WEF)が毎年公表しています。
 
日本は国会議員、官僚、企業管理職などで格差が大きく、2017年は144カ国中114位でした。日本と韓国は経済協力開発機構(OECD)諸国の中でも特に順位が低く、女性が活躍できる社会づくりを世界から求められています。
 
あなたは、女性であることを利用してでも仕事の上でのし上がりたいといっています。まさに「ハニートラップ」(「甘い罠」の意で、元々は女性スパイが対象男性を誘惑して機密情報などを得ることを言います)も辞さないということですよね。露出の多い服で上司に媚びを売っている後輩が邪魔だからといって、色気なら入社したての連中になんて負けないので、出来るだけ胸を強調したり、上司に気に入られそうな香水をつけたりして猛アピールをしているとのこと。女性の先輩に怒られると「上司からよく思われてない先輩に、なんだかんだ言われたくない」と開き直っています。
 
ご自分のやり方を変える気はないと言っていますが、直ちにこのやり方は止めてください。あなたのような人がいるから真面目に地味に頑張って仕事をしようとする女性が嫌な目に遭うんです。まあ、こんな中途半端な色仕掛けに引っかかるような上司はろくな男じゃないであろうし、そんな男に取り入ったところで昇進できるわけありません。どうしてもハニートラップでやりたいのなら、女スパイの映画でも何本か観て研究してください。彼女らは命をかけて国のために働いています。そして最後は殺されるか、本当に相手に恋をしてしまい、スパイとしての役目を果たせず終わるかです。
 
やるなら、命がけでやることです。それが出来ないのなら、すぐ考えを改め、実直に真面目に仕事で勝負してください。あなたのような女性がいる限り日本のジェンダーギャップ指数は最下位にとどまっていることでしょう。地道に一生懸命仕事に打ち込んでいる多くの女性に失礼です。幸いあなたの会社にはそんなあなたを叱責してくれる女性の先輩がいるのですから、もっと先輩と親しくなり、仕事のやり方を教わってはいかがですか。
第141回

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