男と女のQ&A【子親編】「義母に保育園の迎えを頼みづらくなった」

 
【Q】
結婚して8年、5歳の息子がいます。2年前義父が他界したのを機に義母と同居しました。育児休暇を1年取りましたが仕事に復帰し、息子は保育園に預けています。保育園まで徒歩7、8分で、普段は私か夫が自転車で送迎しているんですけど、二人とも遅くなる時は、義母に歩きで迎えをお願いすることがあります。息子も義母になついていて、義母の迎えを楽しみにしているし、義母も張り切って迎えに行ってくれるので助かっているんですが、そんな時義母は息子に必ず「お友達はみんなお母さんが迎えに来てるのにね」とか「お母さんが仕事を辞めれば一緒にいられるのにね」とか、そんな話をしているみたいなんです。先日息子に「お母さんは僕のこと好きじゃないの?おばあちゃんが“お母さんはおまえより仕事の方が好きなのかねえ”って言ってたよ」って言われて気づいたんです。私には、「孫の面倒を見てると私も元気でいられるからあなたは気兼ねなく仕事してね」って言ってくれていたのでショックだったし、息子の迎えが頼みづらくなってしまいました。
 
【A】
今、世間で「アラハン」という言葉が使われているのをご存じですか?
「アラ・サー」「アラ・フォー」ならぬ「アラハン」とは「アラウンド・ハンドレット」の略で、100歳前後の人のことを指します。2015年に日本で初めて100歳以上の人口が6万人を越え、団塊の世代が70代にさしかかることや単なる長寿ではなく、「健康長寿」への憧れが大きくなっています。
90歳の作家、佐藤愛子さんが「90歳 何がめでたい」という本を出してベストセラーになったり、一人暮らしの現役美術家・篠田桃江さんが「103歳になってわかったこと~人生は一人でも面白い」を出版して世間をびっくりさせています。双子のきんさん、ぎんさんの、ぎんさんの娘さん4人が98、94、91、89歳、平均年齢93歳で母の残した名言「わたしらは100シャアからが老後だがね」などをまとめた「ぎん言―ぎんさんが娘4姉妹に遺した名言」を著して、改めて女性の元気年齢が伸びたことに感動している方は多いと思います。
 
さて、あなたの夫の母、義母は、まだまだアラ・ハンには遠く、夫に先立たれた結果、息子の家族と同居になり、生き生きとして、孫の保育園の送り迎えをやってくれています。自分が息子夫婦のために役立っていること、孫からも「おばあちゃん!」として頼られていること、この出番にお義母様はどんなにか生きがいを感じていることでしょう。「自分の出番」があることほど、人が生きがいを感じることはありません。お義母様の「健康寿命」を延ばしていると思います。
 
そこで、もう一声、ほしいのでしょう、お義母様は。嫁(古い言葉ですみません)から「お義母様のお陰で、私、仕事が続けられて、本当に感謝しているんです」「お義母様があの子の送り迎えをやってくださっているお陰で、会社でもキャリアを積めています」と同じセリフでいいので、1週間、朝晩、本気でお礼を言ってください。
 
そして、何日かの後、「お義母様も大変でしょ?!私も当然ですけれど、仕事よりは息子が大切なので、そろそろ辞めてもいいかなって思ったりしているんです」と付け加えてみてください。その言葉をあなたが言い終わらないうちに「あら、私、孫の送迎が楽しみだし、健康の元になっているのよぉ。それに孫もとてもなついているし…。あなたが仕事より、子どもが大切なのは私だってわかっているわよ。でも折角のお仕事だもの、もう少し頑張ってみて!私もできる限り協力するから」と返ってくること受け合いです。
 
そして次の日はお孫さんに「あなたのお母さん、お仕事よりあなたのことが大切に決まっているけど、会社でとても大事なお仕事をしているのよ。あなたはおばあちゃんと一緒に保育園に行きましょうね」と言ってくれますから。
第155回

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