男と女のQ&A【夫婦編】「何でも占いに頼る妻」

【Q】
妻が6年前、私の勤めている会社に入社してきて知り合いました。社員仲間で何度か飲みに行くうちに親しくなり、4年前に結婚、1歳の娘がいます。妻は、子どもが小さいうちは、子育てに専念したいということで今は専業主婦をしています。交際のきっかけは、私の血液型がO型、妻の血液型がA型だったこと、私の星座が獅子座、妻が射手座だったことがきっかけだったんです。妻が言うには、どちらも相性がいいので、結婚したら幸せになれると確信したんだそうです。私は冗談と受け止めて、妻も私と付き合いたと思っているので、そう言ってくれているんだと思ったんです。ところが、子どもがほしいとなった時、「牡羊座の子どもを産みたい」と言うんです。言われるままに6月に生まれるよう妊娠して、牡羊座の娘が出来ました。それだけではないんです。住まい選びインテリアもすべて風水や占いで決めます。占いも楽しむ程度ならいいですけれど、ここまで来ると…。私の人生とか子どもの人生とかが占いで決まるかと思うと将来に不安しか感じません。
 
【A】
我が国では昔から「大難は中難に、小難は無難に」と願って仏教ではご祈祷を、神道ではお祓いを行ってきました。日常生活の中で、今でも地鎮祭や交通安全祈願として車をお祓いしてもらったり、産まれた赤ちゃんを神社へ連れていってお宮詣りしたり、成長のお願いには7.5.3のお詣りをしています。結婚式も「人前結婚」をする人もいますが、多くの人は神様や仏様の前で結婚することを報告し、どんな時も助け合う事を誓い、末永い幸せを願います。この誓いはしばしば破られることがあるにしても、神仏に誓った「気持ち」は多少のブレーキになったり神様仏様に守ってもらっているという「気持ち」になったりします。
 
日本の古代史をひもといてみると、政治や裁判も全て占いでまかなっていた長い歴史があります。今、考えるとゾッとするようなことですが、古墳時代には「盟神探湯(くかたち)」といって犯人を決める裁判で、熱湯の中へ手を入れて、やけどをしなければ犯人ではなく、火傷を負えば犯人とされたり、亀甲占いとして亀の甲を焼いたり鹿の肩甲骨を焼いたりして、そのひびの入り方で政治や災害を占ったりしていた様子が古事記や日本書紀に残っています。邪馬台国を支配してと言われている卑弥呼は、占いの名手だったのでしょう。5世紀から8世紀の飛鳥時代にかけて中国から色々な占いが伝わり、現在、日本に残っている占いは、このころのものが現代に合うよう形を変えたものと言われています。
 
平安時代は、ご存知のように占い師が宮廷で大活躍をした時代らしく、「陰陽師」が明治3年に廃止されるまで、なんと日本の公的機関として長い歴史を刻み続けました。科学的研究や医学的文明も発達していない時代に、天候や災害、病気を占ったり、治したりするには、この「陰陽師」に頼るよりほかに仕方なかったのでしょう。今では天候は占うのではなく、気象庁や天気予報士が科学的データに基づき適確にお天気を予測してくれますし、病気も何かの占いではなく、多くの原因がほぼ解明され、それに対応する薬や手術などの治癒法が施されています。悪魔払いや除霊をする人もいますが、科学的、医学的文化の発展発達が私達の生活を快適にしてくれています。
 
さて、「妻が占いに頼っている」とのことですが、彼女の潜在意識の中に、特に幼児期に人間の力ではどうすることもできない出来事に何度か出会っているのだと思います。(精神分析理論)それがトラウマになり占いを信じ過ぎていると考えられるので、優しく、幼児期の忘れているような出来事を思い出し語ってもらってください。少しづつトラウマから解放されるでしょう。占いも気持ちを穏やかにしたり、希望を与えてくれたり、注意を喚起してくれたり、生活に潤いを与えてくれる程度になってくれたらいいですね。
そして困難なことは2人で乗り越えて行くようにするからねと、約束してあげてください。
第163回

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