男と女のQ&A【夫婦編】「夫のことが好きではない自分」

【Q】
子どもの学校が休みになり、私も仕事を休むことにして、毎日家で過ごしています。緊急事態宣言が出されてからは、夫もテレワークだけになり、ずっと家にいることになりました。最初の2、3日は良かったんですけど、もう限界。一日中夫の顔を見ているのなんて新婚旅行の時以来ですけど、夫の行動や仕草にいちいちムカついて、夫のことが好きではない自分に気づかされました。子どもがいなければ、すぐにでも家を出たい気分です。外にでも出てみれば気分が変わるかなあと思い、1人で散歩をしたり、買い物をしたり…。でも、いったん好きではないって思ってしまうとどうにもそこから抜けられなくなってしまいました。この状態がしばらく続くかと思うとぞっとするし、一緒にいることが苦痛なんだと思ってしまった今となっては、状況が変わったとしても夫婦でいることは無理かもしれません。
 
【A】
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、緊急事態宣言が発出されました。7都府県では収まらず、全国に発出されたわけですが、不要不急の外出自粛が要請され、要請に協力した企業、商店などへの休業補償がやっと本格的に検討され、支給が本決まりになると、各企業がテレワークに取り組み始めました。あなたの夫の会社もいち早くテレワークで在宅勤務を導入したんですね。妻のあなたも子どものために仕事を休んでいるので、一日中夫婦で顔を合わせている。お子さんがいるにしても、新婚旅行以来久々の夫婦水入らずなのに、3日で限界ですか?!確かに今、「#コロナ離婚」というキーワードで検索すると、不平不満のツイートがたくさんヒットします。
 
前回ご紹介したほかにも「子ども勉強、見るように頼んだら、いつの間にか2人でゲームに没頭してた」「夫が掃除してくれたけど全くきれいになってない。洗濯も洗い直し」「夫に“掃除して”と頼んだら、“掃除せなあかんなら家出るわ”と言われた。出ていくがいい!」などなど。象徴的なものに「私の敵はコロナであり旦那でした」。
私の研究所へも40代の男性から「私が少しでも妻の手助けをしようとして料理を作ったのに、味が薄いとか濃すぎるとか文句ばかり」「洗濯洗剤の量が違う。干し方も」と言われる等の切羽詰まった電話が続いています。要するに、この新型コロナによる外出自粛の事態は「夫婦とは何か」、「家族とは何か」を考えさせる試金石になっているということです。
 
過去の歴史の中でも、天災、人災を問わず、人類にとって命に関わる未曾有の大惨事が起きると、人は自分にとって何が一番大切なことなのか、誰が一番大切な人なのかを考え、そして決断し、行動してきました。タイタニック号が沈む時、誰を救命ボートに乗せ、自分はどう命を終えるか、夫婦2人で静かに時を待った人もいれば、妻だけを無理矢理ボートに押し込んだ夫もいました。
人の生き様が問われる時に当たって、3日で夫といることが限界なら、今後30年、40年、人生を共にすることは諦めて、自立の道を探すしかないでしょう。今、気づいたようですが、もうだいぶ前からあなたの夫への愛情はなくなっていたということです。
第183回

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