男と女のQ&A【子親編】「両親の別居危機」

【Q】
今まで仕事人間で家庭を顧みない父と家庭第一の母と思っていたんですけど、コロナ禍で外出自粛を強いられているうちに、家庭第一の父と、家庭のことはどうでもいい母という風に考えが変わりました。父は退職後もこれまでの人間関係でゴルフに行ったり飲み会に行ったり、けっこう忙しい毎日を過ごしていたので、父は家にいられない人なんだと思っていたんです。ところが外出自粛も全然苦にならないみたいで掃除をしたり、家族のために料理をしたり。家族と一緒にいることが楽しいみたいです。それに対して母は、父に不要不急の外出はするなって言われているにもかかわらず、毎日買い物に行ったり病院に行ったり。母は必要と言うんですけど、必要とは思えません。ここ半月ほどはとても険悪です。父が家にいるのに家にいられない母を見ていると、このまま一緒に生活していくのは無理じゃないかと思うようになりました。父も感染が怖いので、どこかに部屋を借りようかなと言い出しました。
 
【A】
あなたの年齢が分かりませんが、お父さんが退職されて何年か経っているようなので、40歳前後の方ですよね。それなら、結論から言わせていただきますが、あなたが悩むようなことではありません。ご両親の問題なので放っておいてください。
お父さんが、外出自粛をしないお母さんからの感染を恐れてどこかに部屋を借りようとしている、これでどこが「家庭第一の父」なんですか?!「今までは仕事人間で家庭を顧みない父」と「家庭第一の母」と思っていたんですよね。ちっとも変わってないんじゃないですか!
 
お父さんは我が身かわいさに自粛していただけ。自分の身に危険が及ぶかもしれないと思うと、お母さんを心配して力づくでもお母さんをステイホームさせようとはせず、「自分だけ」助かろうとしているというわけですよね。子どものあなたが「父が家にいるのに、家にいられない母を見ていると、このまま一緒に生活していくのは無理じゃないかと思うようになりました」と言って心配しているのですが、一緒に生活するのが無理か無理じゃないかを決めるのはあなたではなくご両親です。
 
お母さんの用事は不要不急かもしれません。でも、お父さんが急に家族のために料理を作ったり掃除をしたりするようになった家にはいたくないというお母さんなりの必要かつ急を要する気分なのかもしれません。今まで仕事人間で家庭を顧みない夫に対して、「この子(あなた)が一人前になるまでは」とじっと耐えていたのかもしれません。退職後も妻をいたわって二人で旅をしたり、一緒に趣味を楽しんだりしたわけでもなく、ゴルフに行ったり飲みに行ったりしていたお父さんが、コロナが怖くて急に家にいるようになったために、自分の居場所がなくなってしまったとは考えられませんか?
 
お父さんとお母さんの心と心は、あなたが心配している今よりずっと前から、もう離ればなれになっていたのでしょう。今回、お父さんが自分への感染を恐れて、自分だけ別居をするようなら、お母さんはお父さんと別れる決心をなさることでしょう。もし、あなたがご両親のことを心配して何か言いたいのなら、「この機会に二人とも逃げずにちゃんと向き合って話し合って」とおっしゃってください。
第185回

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