男と女のQ&A【夫婦編】「注意したら怒鳴られた」

【Q】
緊急事態宣言が解除になり、自粛ムードもだいぶ和らいだとはいえ、実際には感染者は減っていないし、特に「夜の街」とか「カラオケ」とか、これまで夫がよく行っていたところの感染リスクは高いまま。夫にはそういう場所へ絶対行ってほしくないんですけど、ここ2週間くらい頻繁に行っているみたいなんです。「なるべく行くのはやめてよ」と言ったら、「うるせえなあ!仕事をしてりゃ、色々ストレスがあるんだからストレス発散は必要なんだっ!」とすごい勢いで怒鳴られました。それ以来、些細なことでもいきなり怒鳴ったり、物を投げたり蹴飛ばしたり…。小学2年生と4年生の子どもがいるんですけど、ビクビクして夫とはまったく口をきかなくなってしまいました。家族のためにも夫には感染リスクの高いところには行ってほしくないし、でも怒鳴られたり、暴力を振るわれたりで家庭崩壊するのも困るんです。
 
【A】
俗に言う「コロナ離婚」を真剣にお考えになることをお勧めします。日本では緊急事態宣言も解除になり、自粛も解け、県をまたぐ移動の制限もなくなりましたが、6月末現在でも、新聞には今なお「世界の死者50万人、感染者1000万人、コロナ猛威」という文字が躍ります。東京でも自粛を解いて以来、右肩上がりの感染者数、6月30日は前日よりは減ったものの、54人。隣接3県を加えた感染者数は102人と報じられています。
しかし、都としては「数値基準は設けず 次の波へ新指標」とあります。あまり大きく報道されていませんが、都が医療機関に新型コロナ患者用に準備する病床数を1000床から3000床に引き上げるよう要請したという報道もあり、アラートを出さないということとのダブルスタンダードであるとの批判もあります。また、感染者の大半が『接客を伴う飲食店従業員ら「夜の街」関連者』である一方、家庭内感染もあり、「都内 夜の街で見つかった感染者と濃厚接触者に当たる人の49%が感染している」との報道もあります。
 
あなたには厳しいお答えになりますが、このような状況の中、あなたの夫は、「夜の街」「カラオケ」(小樽の“昼カラ”では相次ぐクラスターで死者まで出ています)に頻繁に行っている。しかも、しかもですよ、「なるべく行くのはやめて」というあなたの懇願に「うるせいなぁ!」とすごい勢いで怒鳴った上、それ以来、些細なことで怒鳴る、物を投げつけたり蹴飛ばしたりする。そりゃあ、小学生のお子さんたちがビクビクして口もきかなくなりますよね。
当然、子どものためにも感染リスクの高いところへは行くべきではありません。たとえそれが、仕事のストレス解消であれ、自分の命をかけていくところではないし、何よりあなたやお子さんへの感染リスクを考えたら、行けないのが当たり前です。あなたは、「行かないように」と頼んで怒鳴られたり、暴力を振るわれたりして「家庭崩壊する」のを恐れていますが、この時点ですでに家庭は崩壊しています。このままでは、子どもの前でますます暴力を振るうようになるでしょうし、あなたやお子さんに手や足を上げることになる日も近いと思われます。今でも、お子さんたちがビクビク、オドオドしていてかわいそうです。明らかに「面前DV」の状況で、これが長引けばお子さんたちの心に深い傷を残しかねません。
夫が感染者になり、家族が濃厚接触者になる怖さを理解できず、あなたの頼みに怒鳴る、物を投げる、蹴るという暴力を振るう夫には、すでに夫であり父である資格はありません。もう一度しっかり話をしても収まらなければ、ご実家かしかるべきところへ避難することも必要でしょう。
第188回

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