男と女のQ&A【子親編】「何とか孫を来させたい」

【Q】
8月になり孫たちの通う小学校もやっと夏休みになりました。夏休みは毎年恒例の2泊3日の家族旅行があります。私にとっても孫に会える数少ない機会です。子どもが3人いるので、子どもの家族も含め全行程全員が揃って一緒に過ごすのは難しいのですが、何とか都合をつけて、1泊だけでも全員が顔をそろえられる時間が作れるよう努力しているんです。貸別荘なので、息子なんて3時間以上車を飛ばして夜11時くらいに到着、朝8時前に出発なんてことになっても無理して来てくれます。母親の私としては嬉しい限りです。ところが今年は、次男の家族が参加しないことになりそうなんです。表向きは「じいちゃん、ばあちゃんに新型コロナウイルスを移さないように」と言っていますが、これは嫁の口実。嫁は私たちに会いたくないんです。日頃から感じていることなので、絶対間違いありません。嫁は来なくてもいいんですけど、孫には来てもらいたいんです。ちょっとそんな話をしたら、嫁と喧嘩になりそうになりました。なんとか孫を来させたいのですが…
 
【A】
今朝(8/4)の朝日新聞には、「お盆帰省 政府説明ちぐはぐ」という大きな見出しで、西村担当相が「高齢者のいる実家などへの帰省に「慎重に」との考えを示す一方「家族旅行は問題ない」との認識を示しつつ、「おじいちゃん、おばあちゃんと過ごすとなると、また事情が変わってくる」と重症化リスクの高い高齢者への懸念を改めて強調しています。コロナ禍のお盆の帰省と官房長官自らが主導した政府の観光支援策「GO TOトラベル」事業との整合性が問われかねないという内容の記事です。
 
政府の説明さえ右へ左へと揺れている今、それでも「毎年恒例の2泊3日の家族旅行は決行したい。そして嫁が反対しているのなら嫁は来なくていい。孫だけくればいいがどうしたらいいだろう」との相談です。今回のご相談は、あたかもコロナ禍と関わっているかのようになっていますが、本質は全く関係ありません。
そもそも「嫁は高齢の私たちを心配して来ないと言っているが、それは言いわけ」「本当は元々私たちと一緒の旅行は嫌だったのだ」と言っていますが、あなた自ら「嫁は来なくてもいい。孫が来ればいい」と本音を言っています。「嫁は来なくてもいい」の裏側に、「嫁は来ない方がいい」という気持ちが透けて見えます。
 
今回のコロナ禍での家族旅行に次男一家が来る来ないは問題の本質ではなく、本質は普段からのあなたの考え方、次男のパートナー、嫁との関係のあり方です。ご自分でも「これは嫁の表向きの口実」と感じています。こんな関係で、それでも「孫だけでも」という話をして「嫁と喧嘩になりそう」になっている。当たり前です!
「日頃から嫁は私たちに会いたくない」と感じていて、しかもその嫁の気持ちは「絶対間違いありません」と断言しているなら、コロナがどうの、恒例の家族旅行がどうのと言っている場合ではありません。この際、「なぜ嫁が私たちに会いたくなくなったのか。それはいつ頃からなのか」考えてみてください。
そして本当は「あなたが嫁と会いたくない」のですから、「なぜ会いたくないのか。それはいつ頃からなのか」、自分に問いかけてみてください。
「嫁は息子を奪った憎いやつ」「孫を手に入れるための借り腹」みたいな感覚を無意識に持っていたとすれば、息子さんにとっても生涯の不幸です。ちょうどいい機会です。しっかりご自身の潜在意識と向き合って、次男ご一家といい関係を築き直してください。
第190回

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