男と女のQ&A【子親編】「コロナ禍で異性との接触を断つ、断たない?」

【Q】
コロナは、高齢者ほど影響を受けてますよね。若い人たちとか意識の低い人たちとかは、自粛が辛くなれば、外食だって遊びにだって行ってますけど、高齢者はそうはいきませんもんね。困っているのは、義母が他界して義父だけになってしまっているっていうこと。もちろん、感染はそれなりに怖がっていて、緊急事態宣言が出ている間はカラオケとかスナックとかにも行ってなかったんですけど、宣言が解除になった途端、昼はカラオケ、夜はスナックみたいになってしまって。「感染してるやつとは一緒じゃないから大丈夫」って言うんですよ。「自分に限って」って気持ちみたいです。どの人が感染してるかなんて分からないから自粛しなきゃいけないのに…。お目当ては女の人なんですよ。お店のママとかそこで働く女性とか。強く叱って、そういうところに出入りしないように言おうかとも思うんですけど、今の義父を見ていると、そういう女性との時間があるからボケないでいるのかなぁ、と。異性との接触の機会って断たない方がいいんですかねえ?
 
【A】
突然ですが、「照ノ富士、妻と望んだ再起」という見出しで3月29日(月)の朝日新聞社会面に、満面の笑顔で賜杯を手にしている照ノ富士関の写真が載っていました。記事には「2019年3月、4場所全休した照ノ富士が、土俵に戻った。番付は序二段48枚目。午前中、まばらな客の前で相撲を取った。月給取りの「関取」でなくなり、身の回りの世話をする付け人もいなくなった。支度部屋では番付上位が陣取る場所から離れ、192㎝の照ノ富士は入口近くの隅っこに座った」とあり、続く記事には痛めた膝をテーピングで固めてはいても、時折「痛い」という声が漏れること、糖尿病や肝炎にも悩まされ、伊勢ヶ浜親方には何度も「辞めたい」と伝えたこと、これを何とか持ちこたえたのは18年に結婚した同郷の「妻の存在」が大きかった、とあります。結婚はしたものの、式は「元の位置(大関)に戻る」と自身に言い聞かせて、節目となる今場所(春場所)直前に挙げたそうです。
 
平幕以下から再び大関に返り咲いたのは、44年前に西前頭六枚目から復帰した魁傑しかいません。今場所、大関昇進の目安「直近三場所を三役で計33勝」の目安を上回る36勝をあげ、優勝を果たしました。この劇的な大関復帰の陰には「妻」と誓った再起の思いがあったのです。格別、相撲ファンでない私も照ノ富士関の「史上最大のカムバック」には何が関わっていたのだろうと興味を持ちました。
 
あなたは、もうお察しと思いますが、人生にはどうしても誰か「共にいてくれる人」、伴走者、特に異性が必要なんですよね。義母が義父にとっていい伴走者だったかはわかりませんが、妻亡き後、お義父様は寂しかったでしょうね。
 
「クオリーティ・オブ・ライフ」(QOL)という言葉があります。一人ひとりの人生の質や社会的に見た「生活の質」のことを指し、どれだけ人間らしい生活、自分らしい生活を送り、幸福を見いだしているかということを尺度として捉える概念です。QOLの「幸福」とは、生きがい、心身の健康、快適な住環境、十分な教育、レクリエーション、レジャーなど様々な観点から計られます。
 
お義父様には、感染リスクが大きいこと、感染した場合、命に関わること等を話した上で、どうしてもということならば、家族とは食事と居住空間を分ける、共有部分のトイレ、浴室など消毒するなど徹底することを宣言してください。もちろん、できる限り自粛してくださることが一番ではありますが。
第205回

ページ上部へ