男と女のQ&A【夫婦編】「夫から受け取る生活費、15万で足りるわけない」

 
【Q】
結婚して15年、中学1年生と小学5年生の息子がいます。夫とは仕事の関係で知り合い、3年間お付き合いをして結婚しました。男として「可もなく不可もなく」っていう感じだったんです。一緒にいて面白いわけでもないけれど、それがかえって安定した男に見えたっていうか…。結婚生活も面白くはないだろうけど、まあそれなりに「いい家庭」が築けるかなって。結婚前には分からなかったんですけど、結婚して分かったのは、「この人、私と家庭を築こうっていう気がないんだ」っていうことです。家事や子育てをほんのちょっとは手伝ってくれるんですけど、夫とか父親の義務みたいにやるだけで、私や子どもたちへの愛情なんて全く感じられないんです。夫婦生活のすべてがそんな感じです。夫婦って何だろうって思っちゃいます。そして、一番困るのは、夫が私に渡す生活費が月15万円しかないってこと。夫の給料がいくらなのかも知りません。「増やして」って言っても「これ以上は無理。あとはおまえが働いて何とかしろ」って言うんです。夫の様子からしてそんなにないわけないと思うんです。扶養の範囲を超えて働くなんて無理だし、塾や今後かかる教育費のことも考えると不安でしかありません。
 
【A】
女性が結婚相手に求める条件として「三高」(高収入・高学歴・高身長)という言葉がバブル期に流行しました。今は「三優」(私に優しい・家族に優しい・家計に優しい)という言葉に変わりつつあります。30年くらい前の調査では、世界各地37の文化圏の男女に結婚相手の経済力の重要度について尋ねた結果、日本は勿論のこと、アメリカ、オーストラリア、ザンビアなど万国共通で、女性は結婚相手の経済力を優先順位の1位に挙げています。(1993年.Buss&Schnitt)30年たった今も言葉は「三優」に変わりましたが、2021年12月1日、一般社団法人日本リレーションシップ協会調べでは女性が結婚相手に求める三条件を聞いたところ、「経済力」がダントツの1位となり、2位が価値観、3位人柄となりました。
 
私たち祖先の女にとって、夫に経済力があるかどうかは自分や子どもの生死に直結する大問題でした。狩猟が上手でたくさんの獲物を女や子どもに与えられる男を夫に選んだ女は、そうでない男を選んだ女より長く生き延びてよりたくさんの子どもを残せたことでしょう。
今は洞窟の外に出て危険な狩りをするわけではありませんが、あなたの夫は「家族に愛情もなく」「家事育児もほんのちょっと手伝うだけ」とのこと。「家庭を築こうともしない」というのですから、もし洞窟時代だったら、さしずめあなた達親子は生き長らえなかったかもしれませんね。夫から「お前が働いてなんとかしろ」と言われても、家事育児に明け暮れた15年。仕事のブランクがある上に、男女同一賃金、同一労働同一賃金などという法律はあっても、男と同じ仕事に就けるという現実はないのですから、あなたが「無理」というのもわかります。
 
しかし考えてみれば「可もなく不可もない」男性を「安心」と感じて夫に選んだのが失敗。その「安心」が「不安」に変わったわけですから、二人のお子さんのためにも、自分の選択ミスを補うためにも一念発起、勇気を出して仕事に就いてみましょう。外に出てみればあなたにもいい刺激になるし、夫も頑張るあなたを見て生活費を増やしてくれるかもしれません。
それ以前に夫の給料がいくらなのかも知らず、「増やして」と言っても「これ以上無理」と言われ、あなたは「夫の様子からそんなはずはない」と思っている(女遊びをしている、ギャンブルにはまっているとかお考えなのでしょうか?)という家計のやり方がまず間違っています。まずは夫に給料をきちんと聞いて、あなたがいくら働けばいいかを夫としっかり話し合うことから始めてください。
第233回

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